「10分いたらアンモニア臭が染み付く」異臭に大量繁殖…相次ぐ多頭飼育崩壊の現実 件数稼ぎで「信頼度」うたう悪質保護団体も
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「200匹以上の子犬を飼育している家があり、悪臭や騒音の苦情がある」

 昨年10月、動物愛護団体から警察に寄せられた通報。そして今月9日、千葉県八街市の自宅で221匹の小型犬を不衛生な環境で飼育し、4匹を衰弱させたとして、60代の女性が動物愛護法違反の罪で略式起訴された。

【映像】犬221匹…“多頭飼育崩壊”の現場の様子

 現場では「多頭飼育崩壊」が起きており、保健所が指導や勧告を行ったが改善されず、今年6月に書類送検されていた。約10年前に住み始めた当初は21匹だったが、次第に増えて手に負えなくなったという。

 今年に入っても、各地で同様の事例が起きている。群馬県高崎市で10月、ネコ180匹の多頭飼育崩壊が発生。「10分も部屋の中に居ると、体中にアンモニア臭が染み付く」ほど壮絶な環境だったという。

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 8月には埼玉県春日部市で、ゴミで床が見えなくなった現場から、23匹のネコが保護された。また、2匹だったウサギが、わずか2年で100〜200匹に繁殖して、飼育できなくなったという報告もある。

 背景にはコロナ禍によるペットブームもあるのではとの声も。NPO法人Tier Heim KOKUAの山田直美代表理事は、11月20日の『ABEMA的ニュースショー』の取材にこう指摘する。

 「コロナによって増えたのは増えた。ただ世論が興味を持ち始めたから取り上げられるようになり、それで(件数が表面的に)増えてきているように見えている。コロナばかりのせいではない」(山田氏)

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 殴る蹴るをしていなければ動物虐待だと思っていない人も多く、ほとんどの人は「動物たちに申し訳ない」と反省していないとして、山田氏は憤りを感じている。中には愛護活動につけ込んで悪巧みする者もいるという。

「動物保護活動と名乗って寄付だけもらって、悲惨な動物の姿だけをSNSなどで見せては寄付を募る。悪いところとかは(件数の)取り合い。1頭1頭を丁寧に扱うというよりも、こんなに助けていますという、件数で『信頼度No.1』(をアピールして)一般の人はそれを見る。結局、犠牲になるのは動物たちだから、それだけはしないでほしい」(山田氏)

■多頭飼いYouTuber「自分の時間を削ってまでもお世話できるかどうか」

 ワニやフクロウなど、珍しい動物100頭と生活している、2人組の「多頭飼いYouTuber」あきるなは、自分たちのキャパ(収容能力)を考えないと、飼いきれなくなって悲惨な結果を招くと指摘する。

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「自分の時間を削ってまでも、お世話できるか。1頭飼いでも2頭飼いでもそうだが、自分の時間だけ優先していたら面倒を見られない。一番大事しなきゃいけないのは近隣の人間関係だ。動物にも人間にもいい環境を、ということだと思う」(あきるな・Runa氏)

 あきるな宅では、部屋や廊下に施錠するなど、脱走防止に注意を払っているという。

「自分たちはYouTubeのために飼っているわけではないので、今の環境よりももっと良くしていく様子を動画で発信していきたい。多頭飼い=悪いイメージがつきやすいので、どこまでYouTubeやSNSで変えていけるのかを見つめていきたい」(あきるな・Akito氏)

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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