【FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループB】イングランド 6–2 イラン(日本時間11月21日/ハリーファ国際スタジアム)
W杯という夢の舞台を目前に控え、ケガで欠場を余儀なくされた選手の落胆ぶりはどれほどのものか。今大会では国内リーグの過密日程から開幕直前に負傷する選手が相次いでいる。なんとか本大会を迎えて一安心と思いきや、イラン代表のGKは1試合目で大会絶望の危機に瀕する負傷を負ってしまった…。
グループBのイングランド対イランは7分、右サイドからケインが鋭いクロスを送ると、イランの守護神ベイランバンドは右手一本でこれをセービング。しかし、勢い余って味方DFのマジド・ホセイニと正面衝突、両者はピッチに倒れこんだ。
比較的すぐに立ち上がったマジド・ホセイニに対し、ベイランバンドの止血にはかなりの時間を要し、ピッチ上で治療が続けられた。ベイランバンドの鼻はひどく腫れあがっており、解説の戸田和幸氏も「当たり方によっては骨折もあり得る」とコメント。その上で、「精神的な柱ゆえにプレー可能ならしてほしいという思いがあるだろう。大事なのはそれが可能かどうか。それは冷静にメディカルが見ないといけない」と、判断の難しさを指摘した。
長い中断を経てプレーを再開したベイランバンドだったが、結局自ら交代を希望してピッチへと下がっていった。前回のロシア大会でクリスティアーノ・ロナウドのPKをストップしたことでも知られる守護神にとって、世界中が注目するイングランドとの一戦は自身の存在をアピールする絶好の場だったに違いない。しかし、そうした野望はキックオフからわずか数分で絶たれることとなり、チームも2-6と大敗を喫することになった。本人はもちろんチームにとっても、軽傷を祈るばかりだろう。
なお、ベイランバンドは脳震盪による交代と認められたため、通常の交代枠とは別の扱いでの選手変更となった。この負傷により前半のアディショナルタイムは14分という表示だった。(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)