将棋の第8期叡王戦段位別予選(九段戦)が11月28日に行われ、永瀬拓矢王座(30)と羽生善治九段(52)が午後7時から対局を開始した。勝者は本戦トーナメントへの進出が決まる。
永瀬王座は2009年10月に四段昇段。竜王戦1組(1組:5期)、順位戦A級(A級:2期)。将棋に対するストイックな姿勢から「軍曹」と呼ばれ、研究量ではプロの中でも1、2を争うと言われている。第4期叡王戦で高見泰地叡王(当時)を4-0で破り初タイトルを獲得。王座4期と併せて通算獲得数は5期となった。棋戦優勝は2回。今期の叡王戦は初戦で丸山忠久九段(52)を破り、本日午後に行われた準決勝では渡辺明名人(棋王、38)に勝利した。2期ぶりの本戦、さらにはタイトル奪還を目標に掲げる。
羽生九段は、1985年12月に四段昇段。竜王戦1組(1組以上:33期)、順位戦B級1組(A級以上:29期)。タイトルは歴代最多の通算99期を数え、7タイトル時代に全てを保持する七冠独占、永世称号の規定がある7タイトルの全てで資格を得る永世七冠を達成している。棋戦優勝45回も歴代最多。さらに、11月22日には王将戦挑戦者決定リーグを制し、藤井聡太王将(竜王、王位、叡王、棋聖、20)への挑戦権を獲得と波に乗る。叡王戦は第2期、4期で本戦に出場。今期は初戦で島朗九段(59)に勝利。午前中に行われた準決勝では井上慶太九段(58)を破り決勝に進出した。本局を制し、4期ぶり3度目の進出を狙う。
両者の対戦成績は17局あり、永瀬王座の12勝5敗。直近の対戦は10月に行われた王将戦挑戦者決定リーグで、羽生九段が制している。本局2局目となる両者が、どのような戦いを繰り広げるか、注目したい。持ち時間は各1時間で、振り駒の結果、先手は永瀬王座に決まった。ABEMAではこの対局を終了まで、生放送する。
叡王戦は四段から九段までに分かれた段位別予選を行い、12人が通過。シード棋士4人を加えた16人で本戦を戦う。29人が参加する九段戦はAからCまでの3ブロックに分かれて行われ、それぞれの優勝者が本戦に出場する。第6期から不二家が主催となり、対局時には栄養補給のためのお菓子ボックスが設置されている。現在のタイトル保持者は藤井聡太叡王(竜王、王位、王将、棋聖、20)。
(ABEMA/将棋チャンネルより)