【FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループE】日本2－1スペイン（日本時間12月2日／ハリーファ国際スタジアム）
日本代表がスペイン代表に劇的な逆転勝利を収め、グループ首位で決勝トーナメント進出を決めた。押されまくった前半から一転、後半は攻撃的な選手を投入、早々の48分に堂安律が同点ゴールを決めると、51分にも田中碧が逆転ゴール。一気に日本代表が試合の主導権を握り、その後は1点のリードを40分以上守り切った。同点ゴールをたたき込んだ堂安や、左サイドで躍動した三笘薫などに注目される中、同点のきっかけを作ったのは前線で相手DFにひたすらプレッシャーをかけるべく走りまくった前田大然だった。
同点弾が生まれる流れを確認してみよう。日本陣深くでのスペイン代表のスローインだったが、これがうまくつながらず、日本代表がクリア。それでもセカンドボールをスペイン代表が拾い、攻撃が続くと思われた。ここでボールを追いかけたのが前田。前半から無理をせずボールを持ち続けていたスペイン代表は、ここでもゆったりと最終ラインに戻してから作り直そうとバックパスをした。
ただ前田のチェイスは終わらない。さらに走り続けるとスペイン代表もGKまでボールを下げた。この頑張りに連動したのが、後半開始から入ってきたフレッシュな選手たち。三笘がライン際でさらにプレッシャーをかけると、一度はDFに戻したボールが、再びGKの元に。ここを狙っていたとばかりに前田が詰めると、GKも苦し紛れのキックとなり、この中途半端なパスに対して右サイドの伊東純也が競り勝つと、こぼれ球が堂安の足元に収まった。
スペイン代表のDF陣に隙が生まれたところを堂安は見逃さず、得意の右45度から左足一閃。GKもしっかり反応していたが、その両手を弾き飛ばすような強烈なシュートがゴールネットを揺らした。
前田の頑張りは後半だけのことではなかった。とにかくボールを持ちたがったスペイン代表は必ずしも前線までボールを運ぶわけではなく、最終ラインで回し続ける時間も長かった。これに何度もプレッシャーをかけ、奪いかけたシーンも何度かあった。諦めずに何度も足にかけようとした努力が、後半の立ち上がりという絶好のタイミングで実った。
前田は62分に浅野拓磨と交代しベンチに下がったが、森保一監督をはじめ選手たちもその努力を称え、中継を見ていた視聴者たちも「おつかれ」「よくやった」「前田に拍手」と労いと絶賛の声が大量に寄せられていた。
（ABEMA／FIFA ワールドカップ カタール 2022）
