待ち望んだタイ人との初対決で見せた王者のパーフェクトなKO劇にK-1レジェンドの魔娑斗も「アゴ先を打ち抜いた、最高の勝ち方!」と驚嘆した。
12月3日にエディオンアリーナ大阪で行われた「K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~初代バンタム級王座決定トーナメント~」。金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)とキリルアン・チョー.ハーパヤック(タイ)の試合は、3ラウンド終了間際、金子がキリルアンのアゴを強烈な左フックで打ち抜きKO。対ムエタイを意識してきたスーパー・バンタム級王者が、初のタイ人対決で見事な結果を残した。
現K-1スーパー・バンタム級王者として海外勢との対戦を視野に入れはじめた金子。ムエタイジムへの出稽古で対応も進むなか、初のムエタイファイターとの対戦が実現した。対戦相手のキリルアンはK-1初参戦の21歳、アグレッシブなスタイルで知られている。
試合は序盤、距離を縮めながらミドル、ハイを放っていく金子。サウスポーのキルリアンの蹴りをキャッチし、ボディフック、遠距離からのミドルなど”タイ人対策”の一端が垣間見える立ち上がり。
2ラウンド、さらに強い圧をかけながら細かいローを繰り出す金子。キリルアンもミドルキックで反撃に出るが、金子は淡々とインロー、さらに執拗なボディフックと手数で上回っていく。
最終3ラウンド、金子はインローでキリルアンの内ももを執拗に削っていく。これにはABEMAのゲスト解説・魔裟斗も「キリルアンの内ももが真っ青ですね、紫色になって痛いと思いますよ」と金子の効果的な蹴りに言及した。
残り1分、金子がボディからテンプルをかすめる一撃で相手をグラつかせると、右ストレート、左フックさらに追い打ちの左フック、右ストレートを続け、とどめに左フックでキルリアンのアゴを打ち抜いた。
その刹那、キルリアンは前に崩れ落ち、ここで試合終了。魔裟斗もアゴを捉えた瞬間に「おお、効いた、すごい!」と声を上げ「3ラウンド目に入って相手の蹴りをカットだったりスウェイでよけたあたりから良かった。スローで見ると(キルリアンの)目線がボディにいっていた」と相手の予想の裏をかいた一撃だったと解説。フィニッシュについても「最高の勝ち方、アゴ先を打ち抜きましたね」と大絶賛だった。
勝利した金子はマイクをとり「さっき玖村くんにやりたいって言われたんですけど、僕はコンペットとやりたいので…じゃないと強さを証明できない」と、KO勝利直後に金子への挑戦を表明した玖村将史の発言を一蹴。9月に玖村を下したムエタイファイターであるコンペット・シットサラワットスア討伐を力強く宣言した。