8組の師弟で“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」の予選Aリーグ1回戦・第2試合、チーム谷川とチーム豊川が12月3日に放送された。この日の第2局では、レジェンド・谷川浩司十七世名人(60)と豊川孝弘七段(55)による“師匠対決”が実現。豊川七段は「レ ジ・エンドさせます」と有言実行で谷川十七世名人から逆転勝利を飾り、ファンからは「何が起きた!?」「まじか」と驚きの声が上がっていた。
将棋界のギャグ王が、名人5期など歴代タイトル獲得27期のレジェンドから大逆転勝利をもぎ取った。豊川七段は、愛弟子の渡辺和史五段(28)と大会初出場。オープニングから全開でダジャレを飛ばしながらも、「谷川先生、都成さんには、公式戦でそれぞれ2局の4戦全敗なんです。今回良い機会を頂いたので、盤上ではキリリと。名人と都成さんのバスト(胸)をお借りして頑張りたいと思います」と意気込みを語っていた。
渡辺五段の1敗で迎えた第2局には、豊川七段が出陣を立候補。「楽しむけど勝負に徹する。失礼ながら、レジェンド・谷川十七世名人をこの一局は“レ ジ・エンド”させますので。お楽しみに」とフィッシャールール初陣へ向かった。
谷川十七世名人の先手番で、戦型は雁木に。豊川七段は△3五歩と力戦を目指した。均衡が続いたが、中盤戦で抜け出したのは谷川十七世名人。時間に追われる中でも緩急をつけて後手を揺さぶり、リードを拡大させた。▲4七銀から突き放しにかかるも、豊川七段もあきらめない。必死に勝負手を繰り出し、最後は△6八桂成と一瞬で谷川玉を受け無しに追い込んで逆転勝利を飾った。
大激戦から大逆転勝利をもぎ取った豊川七段は、笑顔を浮かべながらも「これね、身体に悪いっす…寿命が縮まりますね…」とグッタリ。自身初のフィッシャールールを経験し、「全てがごっちゃになって“動体視力将棋の巣窟”みたいな感じだなって。しかも目の前は谷川十七世名人。途中(着手が間に合わず)符号で言っちゃったりとか失礼なことをしてしまった」と反省も口にしたが、「結果はラッキーマンモス」と喜びを爆発させていた。
この逆転劇には、視聴者もビックリ。「うおおおおお!」「まじか」「何が起きた!?」「結果を出す男」「ジャイキリ?」「れ ジエンドきたーー」「面白かったなー!」「わからんなあ」「こえー」と大興奮の様子だった。
◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)