「“PKは運”だとは全く思わない」 城彰二氏、惜敗の日本代表へ「悔しさを忘れずにさらなる進化を」
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 FIFAワールドカップ カタール 2022の決勝トーナメント1回戦で、日本代表はクロアチアと120分の激闘の末、PK戦(1-3)で敗れた。悲願のベスト8進出はならなかったが、元日本代表FWの城彰二氏は「この悔しさを忘れずに頑張ってほしい」とエールを送った。

【映像】城彰二氏と振り返るクロアチア戦

 日本が今大会で初めて先制点をあげる展開だったこともあり、「十分勝てる内容だった」と振り返る城氏。「クロアチアは(グループリーグの)3戦、メンバーを変えずに戦ってきて、疲労が蓄積し精彩を欠いていた。そこはチャンスだったと思う」と分析する。

 試合前にはキーマンとして三笘薫をあげていたが、「突破力が怖いので、クロアチアも縦に行かせない守備形。1人ではなく2人、3人とカバーリングしてバランスをとっていた。しかし、日本、そして三笘選手を脅威だと思わせたのはすごいことだと思う」と説明。

 グループリーグでは、優勝経験のあるドイツ、スペインを相手に2度の逆転勝利をおさめてきたことから、「奇跡ではなく実力で競り勝ったのは、日本のレベルが上がってきたということ。もちろん運も味方にしたが、全員で勝ち切ったのは世界に衝撃を与えた」と称賛した。

 一方で、ベスト8に進むためには課題もあると指摘する。「日本は“リアクションサッカー”、つまり相手に主導権を握らせて、カウンターなどの戦術で対応していくのが得意。逆に、自分たちがボールを保持して攻撃していく、崩していく“アクションサッカー”は苦手で、コスタリカ戦もあれだけ攻めながらゴールを奪えなかった。この大きな課題を克服できたり連携力が上がったりすると、ベスト16の壁は破れるかもしれない」。

「“PKは運”だとは全く思わない」 城彰二氏、惜敗の日本代表へ「悔しさを忘れずにさらなる進化を」
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 また、PKでの惜敗について、城氏はやや厳しい見方を示した。「あそこで蹴る順番を選手に選ばせるのは、選手としてはプレッシャーを感じてしまうし、誰も蹴りたくなかったら誰かが手をあげないといけない。チームコンセプトとして、監督がPKを想定していればよかったが、想定していないようなシーンも受け止められた。『PKは運』だと言われるが、私は全くそう思わない。技術と精神力を兼ね備えないと、緊張で押しつぶされたり、コースが甘くなったりする。南野選手も普段は上手だが、トップバッターでプレッシャーがかかり、助走が短くなって相手に読まれやすくなる。このあたりはもっと強化していかないといけない」。

 日本代表はまたここから、4年後に向けて新たな挑戦が始まる。「選手が全力を出し切ってここまでこれたことはすばらしいし、日本サッカーの未来にとって明るい結果だったと思う。ただ、皆さんの期待を裏切ってしまったのは選手の責任で、一番悔しいのも選手だ。これを忘れずに、さらに進化できるように頑張ってほしい」。(『ABEMAヒルズ』より)

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