「FIFAワールドカップカタール2022」。日本代表史上初のベスト8進出をかけた戦いは、本田圭佑氏の解説で試合を楽しみたいという人々が集まり、喜び、興奮、そして悔しさを共有した。
試合開始前、決勝トーナメントとグループステージとの違いを聞かれた本田氏は「ここからは疲労との戦いでもあるんでね。ちょっとしたことですけど、それが影響します」と回答。疲労がたまる中でも、日本代表は本田氏を驚かせるほどの動きを見せる。
両チームがベスト8に向けた激しい戦いを続けるが、本田氏の解説は通常運転だった。前半23分にファールをもらったクロアチア。2018年にバロンドールを受賞した、ルカ・モドリッチ選手がボールをセットする際のしたたかなプレーには、
本田:いやらしい、モドリッチ。審判見てない時にボール2mくらい前に行ってるんですよね。
実況:ただ、それは見つかりましたね。
本田:バロンドーラー見つかりましたね。
実況の寺川アナウンサーがスタジアム内に響き渡る日本サポーターの応援について触れると、「埼玉スタジアムっすか?」とボケる場面も見受けられた。
そして前半43分、日本中が沸いた先制点のシーンでは、本田氏の見事な分析が光った。
実況:堂安が蹴ります。キーパーに向かうボールニアサイド。もう1度コーナーキックです。
本田:これね、ショートやったらいい。立ち位置見ても(クロアチアは)対応できないですよ。(ゴール後に)来ましたねー、ショートからの。クロスめっちゃよかった。しかももう終わるんじゃないですか前半。
このまま逃げ切ってほしい……。多くの人が願う中で、後半10分に失点。それに対して、本田氏は「想定内」と独特の見解を述べた。
本田:全然問題ないよ。うん。別にわかってたからね、失点するのは。だから選手たちが2点目を取りに行くという意図があれば全然問題ない。想定内です。
前回大会準優勝のクロアチアという高い壁を越えられそうで越えられない試合展開。なんとも言えない複雑な感情が入り混じったのか、寺川アナウンサーと本田氏との間で微妙な空気が流れ始める。
実況:同点の後半アディショナルタイムです
本田:決めたの誰でしたっけ
実況:日本ですか?
本田:いやいや。
実況:あ、相手ですか?ペリシッチです
本田:さすがに日本はわかります。
90分以上にわたる激闘を繰り広げるも、決着がつかないまま試合は延長戦へ突入。そして、延長30分を戦うも両チーム譲らないまま勝敗はPK戦へともつれ込む。
本田:PK見ます?
実況:……どういうことですか?
本田:いやいやいやいやいや。見れます?
実況:なかなか厳しいですが、それでも日本の選手たちはここまでよく戦いました。
PK戦の末、クロアチアに敗北しベスト8進出はならなかった。チームが目指した「新しい景色」まで本当にあと一歩のところまで近づいた日本代表に、本田氏はこう言葉を送った。
本田:もう切り替えるしかないわけですよ。今日から次のW杯に向けて戦いが始まるし、この経験はまた次に生きるわけですから。結果だけ見ると、帰ってきたらみんな賞賛されるんじゃないですか。正直誰も予選突破するなんて最初思ってなかったわけで、想像を超えて予選突破して、もしかしたらベスト8いけるっていうPKまでいったんですから。
試合後、日本代表の快進撃をさらに盛り上げてくれた本田氏の解説に、SNSでは「ありがとう本田圭佑!」「なにが一番つらいって本田さんの解説がもう見れないこと」「本田さんの解説でサッカーってこんなにおもろいんやって初めて思いました」「本田圭佑がまた解説してくれるなら4年後も見るわ」といった感謝の思いや寂しさを表すコメントが寄せられた。(『ABEMAヒルズ』より)
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