敗戦直後に川島永嗣と号泣ハグ 男性サポーターが明かした“絆と秘話”「日本人サポーターが心の底から『ニッポン』と叫べるように…」熱い思いを激白
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 日本時間6日、サッカー日本代表が決勝トーナメント1回戦でクロアチアと対戦し、ノックアウト方式の延長戦を含む120分の死闘の末、1-1でPK戦に突入。惜しくも敗れた。大会前から目標に掲げてきた史上初となるベスト8進出は次回大会以降におあずけとなったが、強豪国のドイツ、スペインを相次いで逆転で撃破するなど、森保ジャパン旋風を巻き起こして日本、そして世界のサッカー史に新たな歴史を刻んだ。

【映像】反響を呼んだ川島永嗣との“号泣ハグ”

 敗戦の直後、代表キャップ数「95」の川島永嗣は、スタンドで一人の男性サポーターと抱擁を交わすと、ともに人目をはばからず男泣きをした。その様子は公式映像にも収められ、注目を浴びたが、ABEMA TIMESでは、その男性に当時の様子、さらにそこに至る経緯について話を聞いた。

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■日本代表サポーター歴およそ16年 4度のW杯を現地で観戦

 お話を聞いた男性は、福森正也さん。大阪府大阪市在住の34歳。日本代表サポーターのコールリーダー的な存在で、サポーターの間でも一目置かれる存在だ。普段はイベント会社の運営や制作、広告などに携わっている。サッカー日本代表のサポーターとなるきっかけは、中学生の時。知り合いに誘われたことが始まりだという。

「最初に日本代表の試合を応援しに行ったのは、2006年に行われたドイツW杯の予選のとき。本戦自体はまだ中学校3年生くらいだったので観戦には行けませんでしたが…」

 そのように話す福森さんは、これまで2010年の南アフリカ大会から数えて、今回が4度目のW杯の現地観戦となる。「南アフリカ大会から全て現地に行って、全ての日本代表の試合を見ています」と話すコアサポーターだ。

 川島との関係は2010年のW杯南アフリカ大会前、オーストリアなどで合宿を行っていた日本代表を応援に訪れた時からだという。

「本当の意味での始まりは2011年、それこそカタールで開催され、日本が4度目の優勝を果たした第15回AFCアジアカップのとき。当時は初戦から決勝まで全試合を現地で応援したのですが、毎日のように練習場に行って『頑張りましょう』『勝ちましょう』と声を掛け続けるうちに次第に顔を認識してもらえるようになりました。その後、永嗣さんがベルギーのリールセに移籍したばかりの時にリールセに足を運び、挨拶をした時には永嗣さんに憶えてもらえるようになっていたかなと」

 今大会、福森さんがカタール現地入りをしたのは先月20日のこと。以来、日本戦は全試合を観戦。そのほかも3試合ほど観戦したという。本来はより多くの試合を観戦するつもりだったというが、現地のサポーターの間で「体調不良になっている人が多い」との話を聞いたことに加え、奥様と2歳半の長男・世大(せいた)くんと3人であったため「あまり無理はしないようにとリセールして、自重しました」と現地での様子を説明した。

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■涙のハグは互いに『ありがとう』の応酬だった

 注目を集めたシーンについて聞くと、福森さんは次のように話した。

「試合が終わった後、僕はゴール裏の方に下りて見ていて、そのまま選手が中に入って行って。記憶がなくなるほど悔しくて、自分が何を言ったかも正確には覚えていないのですが(苦笑)。パッと見たら、選手入場口の方から、永嗣さんと昔から知っている代表のスタッフの方が出てくるのが見えて。気がついたら無意識のうちに『川島コール』を叫んでいました。その声に気づいたのか、永嗣さんが階段の方に来てくれて、自分でも何を言ったか覚えていないのですが…僕自身が永嗣さんをずっと応援してきた中で『自分の応援が足りなかった』と。たかが1%の応援かもしれないですけど、応援しに行っているからこそ、W杯だけじゃなく、永嗣さんをもっと応援できていればと。そんな思いから自然に出た言葉なのかなと」

 そもそも、選手が皆引き上げた後、なぜ川島はピッチに再び姿を現したのか。川島と一緒に現れた代表スタッフに尋ねてみたところ、川島の人柄を物語るこんな裏話も。

「サポーターってまだいる? とスタッフに聞いて『いるよ』と応じたら『行ってもいい?』ということで再び出てきたらしいんです」

 “川島コール”に気づき、福森さんのもとに歩み寄ってきたときの様子については「永嗣さんが『ありがとう』と言ってくださいました。それと『応援が足りなかった』と伝えたことに対しては『僕たちが勝てなかった』と返してくれました。とはいえ、僕も永嗣さんも互いに『ありがとう』の応酬でしたね(笑)。永嗣さんも泣いていたし、僕もくしゃくしゃになっていたので…。でも、喜怒哀楽を本気で出させてもらえるから、サッカーの応援はいいなと常々思っています」とも。

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■川島永嗣は“精神的支柱”だけにあらず

 福森さんが長らく応援してきた川島は今大会、ピッチでの出番に恵まれなかった。代表のキャップ数95の川島は、今回の選出に関連して“精神的支柱”といった表現をされることも多かった。そのことについて福森さんは「9月の欧州遠征のあと、(現在、川島が所属するフランスのチーム)ストラスブールに行って、ご飯を食べた際に話をしたのですが、2010年の頃は川口さん、楢崎さんというGKのレジェンド二人がいる中で、レギュラーを勝ち取りましたが、あの二人は最後まで試合に出るつもりで練習を頑張っていたそうです。なので、本人は日本人としてやるべきことがあるから、やるべきことを、やっていたということだと思います。それが結果として、チームにとって大切な部分を支えることができた。単に“精神的支柱”ということではなく、本当に必要なピースであったから、森保監督に選出されたのだと思います」と推察する。

 川島は大会後に「今までで最高のチームだった」と話している。では、福森さんから見て、カタールW杯の森保ジャパンはどのように映っていたのだろうか。

「批判にも称賛にもなるかもしれないのですが、非常に日本人らしく戦うチームだった。僕としては、気持ちの乗せやすいチームでした。外国人の監督がどうとか、日本人の監督が良い悪いではなく、ニュアンスを伝えるって言葉では難しい。森保監督がいて、(キャプテンの吉田)麻也くんがオーガナイズするというのがあったと言われていますが、日本人が小さい頃からやってきたことに取り組みながら、ここまで来たと思います。日本人は“人のために”とか、“自分が倒れてでも”とか。自分がこういう時に、どう振る舞うべきか。心の底から“自分は組織のために何ができるのか”という中で、個人としてどれだけ光ることができるのかというのを、実践できたチームであったと感じています」

 これまで日本代表を15年以上見続けてきた福森さんにとって、今大会で最も印象深かったシーンはどのシーンだったのか。

「スペイン戦で勝った時に話題になりましたが、三笘選手の“1ミリ”に象徴されるように“諦めない心”もあると思いますし、選手一人ひとり、出ていない選手も、延長戦になったときに皆がウォームアップゾーンから声を掛けに行ったり、どう動くべきかといったコミュニケーションが目に見えて分かった大会でした。一人ひとりが何のために行動すべきかというのが、出た大会。それというのは、永嗣さんだったり、長友選手、(吉田)麻也くんだったりが、身をもって示してくれた結果だったと思います」

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■日本人サポーターが、心の底から『ニッポン』と叫べるように

 7日夜には、日本代表が帰国をした。帰国後の会見で森保監督は「日本人の魂。誇りを持って、日本のために戦いました。選手たちは個の良さと団結力を持って、世界で戦えるということを示してくれた」などと話した。これこそ、福森さんのいう“日本人らしさ”なのだろう。

 日本代表は今大会、グループステージでFIFAランキング7位のスペイン、さらに同11位のドイツを撃破してグループ首位で決勝トーナメントに進んだ。しかし、4度目の挑戦にして、悲願のベスト8進出はならなかった。では4年後の2026年、ベスト16の壁を破ることはできるのか。福森さんの考えはこうだ。

「ベスト16の壁を破るというのは、もちろん選手は目指すと思うので、ぜひ、達成して欲しいと思いまし、僕らとしても気持ちとしては持っていますが、もともと、2014年に開催されたブラジルW杯で本田圭佑選手が『世界一を目指す』と言っていました。優勝を目指すうえで、その過程としてベスト16の壁を超えていかないと、僕たちも選手もそこを目指してやっているというのを明確にしてやって行かないと“超えられない”のではと思いました。以前はあえて、そうした横断幕も掲げていました。でも、“優勝”と言い続けることでチームのバランスが崩れるかもしれないですし、それが変なプレッシャーになることもあるかもしれない。それでも“W杯で優勝する”を言霊にして、そこを目指していって、その先に結果として“まだ見たことのない景色”が見えてくるはずだと思っています」

 長らく日本代表を応援し続けてきた福森さん。今後、サポーターとしての活動についてはどのように考えているのだろうか。「実はブラジル大会で応援を止めようと思ったんです」と意外な言葉も飛び出したが、続けて次のように本音を明かしてくれた。

「悔しい思いをして、ロシアまでもう少し頑張ろうと頑張ってきた。ロシア大会が終わって、永嗣さんは代表を引退するのかなと思っていました。3年前にストラスブールに行って、永嗣さんと話をして、帰るときに『来てくれてありがとう』ということと『カタールW杯に一緒に行って、今まで以上のことを成し遂げよう』というメッセージを頂きました。本来は僕らが勇気を与えたりしなければいけないはずなのに、むしろ、勇気や応援する活力を与えていただきました」

 とはいえ、日本代表を応援し続けるには、家族の事、仕事の事、もちろんお金の事…さまざまなことと折り合いをつけていく必要がある。福森さんは今大会では先月の20日に現地入りをして、9日に帰国する予定だ。全19泊のカタール滞在費の合計は飛行機代も含めて家族3人で120万~130万円になるという。それでも現地での応援にこだわる理由がある。

「歴史は塗り替え続けられていきます。永嗣さんが『その(ベスト16の)壁は叩き続けて、前を向き続けないと壊せない』などとインスタグラムで発信されていましたが、僕たちも同じ気持ちでやらないといけない。4年後にどういう形で応援に関われているかはわかりませんが、僕より年齢が上の人も、僕より下の人もそう。モロッコやアルゼンチンなど、やっぱり、各々の国のサポーターが応援していて、その数は残念ながら日本のそれよりもずっと多い。選手の活躍をより強く後押しできるように、日本人サポーターが、心の底から『ニッポン』と叫べるように、止めることなく、少しずつでも関わって行けるように、応援は続けていこうと思っています」

 写真/ご本人提供

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