サッカー日本代表としてカタールワールドカップに出場し、後半からの逆転の起点として多くのチャンスを演出した三笘薫(25)。世界に衝撃を与えた“日本の戦術”、その鍵となった男のプレーをサッカーアナリストが分析した。
「いや面白いな~ めちゃおもろないですか?三笘さんにいったとき何かが起こる」(本田圭佑)
日本代表の4試合全てにおいて途中出場だったものの、ボールを持てば「何かを起こしてくれるのではないか」という期待感を与えた三笘。筑波大卒、プロ入り3年目の勝利の立役者が世界の舞台で躍動した。
ドイツ戦では、サイドからの仕掛けで堂安律の同点弾の起点に。コスタリカ戦では得点にこそつながらなかったものの、ペナルティーエリアに切り込んでのチャンスメイク。スペイン戦では、ゴールラインを“1mm”残してのアシストが大きな話題となったほか、献身的な守備で相手の攻撃の芽をつんだ。クロアチア戦では、相手に警戒される中、60mドリブルからのミドルシュートで観客を沸かせた。
日本戦を解説していた本田氏も、「(他の選手は)サポート行かんでいいよ」「もう(三笘を)使ったらええねん」「素晴らしい対応」「三笘さんのプレーやばいっすね。ワールドカップ終わったらビッグクラブでしょ」と感嘆するほどだった。
クロアチア戦の直後、「全部が足りなかった」と悔しさをにじませた三笘。一夜明け、4年後への決意を語った。
「(4年後は)間違いなく日本代表を背負っていかなければならない存在だと思う。そこでこの悔しさをぶつけないと。ベスト8に導けるようなプレイヤーにならないといけない」(三笘薫)
世界に衝撃を与えた三笘薫のプレー。データスタジアム社所属のサッカーアナリスト・滝川有伸氏は、日本代表が仕掛けた“ドリブルの回数”に着目して解説した。
「日本代表の“ドリブル数”のランキングを見ると(三笘選手が)1位になっていて、成功率も高い。ドリブルの軌跡を図で見てみると、サイドのタッチライン際から中に切り込んでいくプレーが多かったが、クロアチア戦では1人でミドルシュートを放っていた。カウンターといういまの日本の“強み”を支えるキーになっている」
「低い位置から奪って、1人で相手を引き連れて加速していくのが三笘選手のドリブルの特徴だ。ドイツ戦のゴールにも絡んでいたが、仕掛けることで相手が寄ってくる。そうすると、他の選手にマークがつかなくなり、そこにパスを出すなどの最後のプレーの選択肢が増える。今大会では全て途中出場だが、次回大会に向けてもうひとり三笘選手のようなプレイヤーが出てくると、“頭から三笘”の戦術も生まれ、2段階で攻めることも可能になるのではないか」
(『ABEMAヒルズ』より)