W杯中継に現れた「白塗りサポーター」 正体は被災地の今を伝える“ご当地ヒーロー” 「世界の方々に感謝を伝えたい」
【映像】強烈ビジュアルサポーターの正体
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 日本中を熱狂の渦に巻き込んだFIFAワールドカップ。躍動した日本代表とともに、注目を集めた日本サポーターがいる。“白塗り&ウサギ耳”姿という強烈なビジュアルで話題になっている男性に話を聞いた。

【映像】強烈ビジュアルサポーターの正体

「鹿児島で『じゃんけんマン』というご当地ヒーローをやっている」

 日本戦の度にSNSで話題を呼んだサポーターの正体は、尾曲智幸さん33歳。普段は鹿児島県のご当地ヒーロー「じゃんけんマン」として子どもたちを笑顔にするために地元のイベントなどに出演している。また、災害復興支援や地元地域の清掃といったボランティア活動も行うなど、日々様々な活動を行っている。

 そんな尾曲さんが携わっているのが「トモにカタールへプロジェクト」。2014年のブラジルW杯からスタートした“被災地の学生らをW杯の開催地に招待する取り組み”だ。

「被災地の子どもたちを現地に連れていき、そこの学生やサポーターに『被災地はこういう状態ですよ』という報告会をしている。(取り組みの理由は)世界の方々に支援をしていただいたので、感謝を伝えるのが一番の目的だ。そうして頑張った活動のご褒美としてW杯を見てもらう」

W杯中継に現れた「白塗りサポーター」 正体は被災地の今を伝える“ご当地ヒーロー” 「世界の方々に感謝を伝えたい」
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 子どもたちの渡航費用は、尾曲さんたちが寄付を募り工面。今年は約400万円が集まり、熊本県球磨村の学生ら8人をカタールへと招待。現地の人々と交流を深め、被災地の今を伝えた。そして迎えた日本のグループステージ初戦。尾曲さんは、「国歌斉唱の瞬間、思わず涙が出た」と当時を振り返る。

「前回のロシア大会から現地観戦しているが、4年間いろんなことがあり、W杯に行けるか分からなかった。スタジアムに入って国歌が流れたとき、涙腺が…。ここに至るまでが大変だった」

 初戦、見事な逆転勝ちで白星スタートを切った日本。続くコスタリカ戦を落とし迎えた、優勝候補スペインとの第3戦。日本の逆転ゴールを巡るVAR判定。尾曲さんは、このシーンが今大会一番印象に残っているという。

「少し間をおいてからVARになったものの、チェックの時間が長かったので『これはゴールの可能性が高いんじゃないか』とみんなで喜んでいた。ドキドキもあったが、(判定が)長かったおかけで“入っている”というわくわくした気持ちが本当に大きくなった」

W杯中継に現れた「白塗りサポーター」 正体は被災地の今を伝える“ご当地ヒーロー” 「世界の方々に感謝を伝えたい」
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 ベスト8には惜しくも届かなかったものの、大健闘を見せた日本代表とともに世界から賞賛の声を集めたのが、試合後にスタジアムに残ったゴミを拾う日本サポーターたちの姿。こうした行動が認められ、カタールの運営委員会から表彰を受けた。

「日本のサポーターは、青いゴミ袋を持って応援することが多い。試合後にゴミを拾うことはマストというか、“きれいにして帰ろう”というのが当たり前だし、日本の良い所を世界に発信できたかなと思う」

 SNSで返しきれないほどのメッセージが届くなど、W杯を通じて大きな反響があったと話す尾曲さん。子どもたちは一足早く日本へと帰ったものの、尾曲さんはカタールに残り、決勝戦を観戦していきたいと話している。

「(日本戦を見て)子どもたちが夢見る世界とはこういうところなんだなと。今見ている小学生や中学生が『ここに立ちたい』と思えるような試合を日本代表はやってくれたと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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