興奮冷めやらぬサッカーワールドカップ日本代表の躍進。その中心には、三笘薫(25)や堂安律(24)など、Z世代の選手がいた。これからの日本を担うZ世代の特徴を専門家に聞いた。
「競争が苦手」「目立ちたくない」などのイメージがあるとされるZ世代。そんな中、今回のサッカー日本代表の活躍は「極めてZ世代的だ」と、千葉商科大学准教授で働き方評論家の常見陽平氏は語る。
「合理的に努力する。このあたりがZ世代の特徴ではないかと思う。三笘にしろ堂安にしろ、非常に合理的な努力と、“世界レベルの視点”を持ってきた。『いかにして国内で勝つか』みたいな気合と根性モデルではなく、最初から世界を見ていたところが違いではないか。
(Z世代の選手たちは)活躍の仕方が規格外になっている。物心ついたころからサッカーはグローバルなもので、先輩たちがヨーロッパで活躍していることが当たり前だったように、前提が大きく違う。そして、サッカーのトレーニングや戦略・戦術が合理的、科学的になった後の世代だ」
グローバルな活躍や、科学的・合理的な練習が当たり前となっているZ世代の選手たち。そのため、最初から世界を意識して自分の能力を効率的に伸ばせると話す常見氏。Z世代の特徴は、ゴールを決めた選手たちのコメントにも表れていた。
「あそこは“俺のコース”なので。あそこで持てば『絶対打ってやる』と決めていたので思い切って打った」(堂安律)
「自分を信じていたし、ずっと前から『自分はワールドカップで点を取る』とイメージしていた。実行できて良かった」(田中碧)
自分の世界観で理想を強く持っていることが、今回の躍進に繋がったのかもしれない。
サッカー日本代表の活躍を“Z世代的”と考える常見氏だが、最後に「格差があるのではないか」と懸念を示した。
「世代論は、型破りな人や圧倒的な成果を出した人を前提に語られる。その中で深刻だと思うのが“世代内格差”だ。置かれている環境が、経済的に不安定な人と安定した人、最初から世界を見ていた人とローカルを見ざるを得なかった人。こういった格差が世代(の中)で非常にあるのではないか」
(『ABEMAヒルズ』より)