全国で相次ぐ自転車の死亡事故。これを受けて政府は20日、来年4月から自転車に乗る全ての人にヘルメット着用の努力義務を課すと閣議決定した。
しかし、ヘルメットを着けることでどれだけの効果があるのだろうか。一般社団法人・日本自動車連盟(JAF)が、転倒した際の頭部への衝撃を測定するためのシミュレーションを実施。
センサーを取り付けたマネキンにヘルメットを着けたときと、外したときの衝撃の差を計測した。
結果、着用していない時の衝撃は、ヘルメットを着けたときの3倍にもなった。ただ倒れただけでも、死に至る危険性がある数値になった。
警察庁によると、去年までの5年間に自転車事故で死亡した2145人のうち、6割近くが頭部に致命傷を負っていたという。
また、ヘルメットを着用している人の死亡率は、着けてない人の半分に抑えられたという。警視庁では、来年4月から交番などで自転車に乗る警察官用として、新たにヘルメットを配備。市民にも着用を浸透させたい考えだ。
今回の決定はあくまで努力義務。実効性には疑問が残るが、交通事故捜査官として約2000件の交通事故を捜査した熊谷氏は、ヘルメットの重要性をこう呼びかける。
「(努力義務化に)大賛成。車と衝突した場合に自転車の運転手さんが一番ぶつけてしまうところが頭。フロントガラスとかフロントピラー(柱)に頭をぶつけて頭蓋骨が骨折してしまったりする。自分の命を守るためにヘルメットを被ることは最も大切なことと思う」(元交通事故捜査官・熊谷宗徳氏)
(『ABEMAヒルズ』より)