2022年12月中旬、1本の動画が話題になった。列車の中で、男性がつり革上部のバーをつかみ、上下に懸垂を繰り返す——。その人物が長崎県議会議員の北村貴寿氏だと判明し、14日に謝罪会見を行った。
「本当になぜ私がそういう行動に至ったのか、大変お恥ずかしい話ですが、記憶が定かではございません」(会見での北村県議発言)
過去の飲酒運転も明らかになり、「酒に酔った勢いで車内で懸垂するのは迷惑行為! 議員としてどうかしている!」「飲酒運転した人が議員活動しているのはおかしい!」「懸垂の角度が悪い」といった反応が相次いだ。
北村県議は「あの記者会見で私の言葉が足りないばかりに、世間に『間違ったイメージ』を与えてしまいました」として、25日の『ABEMA的ニュースショー』へのリモート出演で、改めて謝罪した。
動画が撮影されたのは、高校の同窓会から帰る途中で、当時の仲間たちと一緒だったという。「『50(歳)になったよね。体力も落ちてきたよね。五十肩で肩も……』となる中で、『いやいや、まだ中年パワーは大丈夫だよ』と、悪ふざけが過ぎた」と、北村県議は経緯を振り返る。SNS上で動画が拡散されていると聞き、服装を見て自分だとわかったという。
北村県議は、会見では受け答えに至らなかった点もあり、「事実と違うような理解」が広がっていると話す。具体的には「記憶がなくなるまで、いつも飲んでいる」「飲酒運転の常習犯」などと認識されているが、そうではないと否定。お酒はその後、一切飲んでいないが、お酒のせいではなく、軽はずみな行動をとった、調子に乗りやすい自分のせいだとの自己認識を示した。
元衆院議員の宮崎謙介氏は、みずからの経験から「会見でだいたいのイメージは付く」と指摘する。宮崎氏は2016年、妻の出産入院中に不倫をしていたとして、議員辞職会見を開いた。その時に心掛けていたのは「ウソは絶対につかない」「全部記憶にあることを言う」の2点だったと振り返る。
「『なぜ懸垂をやったのか』と質問されたとき、なにか紡ぎだして言葉に出す。自分も『なぜそんなことをしたのですか』と言われて、『言われてみても困るな』と思って、30秒くらい考えた。出てきた言葉が『欲が勝ってしまった』。それはウソでなく本音で、すごく恥ずかしかったが、ちゃんと向き合ったのが大事だと思っている」(宮崎氏)
飲酒していないことについても、しっかり公言した方がいいと、宮崎氏はアドバイスする。
「『私はもう、絶対に生涯酒を飲みません』(と宣言する)。周りは『北村、本当は友達の間で飲んでるんじゃないの』(と疑問視し、もし隠れて飲んでいたら)『あいつは飲んでるよ』と言う。本当に飲まない、どれだけ勧めても飲まない、となると、だんだんイメージが変わってくるのでは」(宮崎氏)
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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