将棋大好き芸人・サバンナ高橋茂雄も胸踊らす 藤井聡太王将 対 羽生善治九段 天才同士の王将戦七番勝負「将棋界の歴史的なビッグマッチ」
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 将棋ファン待望のビッグマッチがついに実現する。ALSOK杯王将戦の七番勝負が1月8日に開幕、現在五冠を保持する藤井聡太王将(竜王、王位、叡王、棋聖、20)に、タイトル99期のレジェンド羽生善治九段(52)が挑戦するとあって、対決が決まってから将棋ファンの間では、この対決の話題で持ち切りだ。2人の天才棋士がタイトル戦で初めて戦うことに、将棋大好き芸人として知られるサバンナの高橋茂雄も「これはもう将棋界の歴史的なビッグマッチになったんじゃないですか」と興奮が止まらない。新時代を切り開いたスターか、約2年ぶりにタイトル戦の舞台に戻ってきたスーパーレジェンドか。将棋に関する著書もある高橋に、注目ポイントを聞いた。

【中継】第72期ALSOK杯王将戦七番勝負 第一局1日目 藤井聡太王将 対 羽生善治九段

 2016年10月に最年少四段としてプロデビューを果たして以来、わずか6年余りでほとんどの最年少記録を塗り替えてしまった藤井王将。その強さを表現する言葉が見つからないほどで、タイトルホルダーになった後でも勝率は8割超えを維持。他の追随を許さない突出した存在になっている。

 高橋 破竹の勢いというよりは、もはやモンスターとして君臨する存在になっているのかなと思いますね。だから、ここから藤井先生をタイトル戦で、誰が1回打ち崩すのかが注目になってくる。竜王戦七番勝負では、広瀬章人先生(八段)が2勝されたのを見て、怪物とはいえ付け入る隙があるというか、今の藤井先生にみんながどういう作戦で挑んでいくのかが、めちゃくちゃ楽しみです。

 タイトル戦に11回出場し、通算で11期獲得。つまりは挑戦も防衛も、藤井王将はタイトル戦で1度も取り逃していない。フルセットは叡王戦五番勝負で1度だけ、七番勝負では1度もない。つまり藤井王将に対して、タイトル戦の舞台で3勝した棋士は誰もいない。中学生でプロ入りし「藤井くん」と呼ばれた若者は20歳になり、絶対王者になっている。そこに当時7つだったタイトルを独占するなど、今の藤井王将以上の存在として君臨していた羽生九段が挑むのだから、ドラマ性は非常に強い。

 高橋 羽生先生からすれば前人未到のタイトル100期をかけた戦いです。2021年度に順位戦のA級からB級1組に落ちられて、調子を崩しているみたいなことがニュースになっていたんですけど、そこから王将リーグを全勝で勝ち上がるというところが、本当に激熱だなと思いますね。

 羽生九段は2021年度、プロ入りしてから初めて年間勝率が5割を切った。52歳という年齢からして、単なる不調ではなく衰えだと考える関係者、ファンも多かったが、2022年度は見事に復活。勝率は7割に迫り「羽生強し」を再度認識することになった。

 高橋 ドラマチックですね。もう一回、そこからエンジンをかけられるのがすごいです。羽生先生ぐらいの立場になられると、タイトル戦ではなくても、将棋界に貢献することはいくらでもできるじゃないですか。そういう方法を取らずに、まだまだ自分は現役で戦っていくという、そこの気持ちがすごいですよね。

 将棋ソフト(AI)の台頭もあり、常識・定跡と思われていたところが、次々と破壊され、再評価される時代。永世七冠、タイトル99期など、輝かしい実績を持つ羽生九段も、自分が作ってきた将棋を諦め、また学び直さなくてはいけない。

 高橋 僕も自分がやっているライブとかは、めっちゃ嫌になるんです。嫌になるけど、うまくいった時の爽快感もあるんで、そこでもう失敗するわけにもいかんからってやるっていう感じですよね。一から学び直すことは、僕らには到底真似できないですね。棋士の先生とお話をさせていただくと、勉強量がめっちゃ増えていると聞きます「もうええやん」って言いたくなると思うんですよね。1日何時間と勉強しないといけないわけですから。

 飽くなき追求・探究を続けられない限り、どんどんと最新の戦いから取り残され、成績表に黒星が並ぶシビアな世界。長らく将棋界の頂点にいた羽生九段は、一度その座を降りたが、研究を止めなかったことが、約2年ぶりのタイトル挑戦へとつながった。新旧の天才同士のビッグマッチ。これまで同様、藤井王将の快進撃を見たいファンもいれば、羽生九段の復活劇を見たいファンもいる。

 高橋 まず初戦が大事になってくるんでしょうね。初戦で羽生先生がどんな作戦を繰り出して、どう持っていくのか。こうなってきたら、先手か後手かがめっちゃ大事。きっと12月から1月の対局にかけて、羽生先生はそこの研究に没頭されていると思います。羽生先生にはいつかタイトル100期を成し遂げたところを見せていただきたいのはあるし、この藤井-羽生戦が、今後何回あるか定かではないじゃないですか。だから今回は羽生先生を応援してしまいそうですけどね。今回も「藤井さんが強かったなあ」となった時に、もう一回、羽生先生がタイトル争いに上がってくるのも、めっちゃ大変じゃないですか。王将リーグ、もう一回勝てっていうのも、吐きそうになると思うんですよ(笑)。神様はどういうドラマを描いているのか、ですよね。

 将棋における神の領域に近づいた藤井王将と羽生九段。互いの力を尽くした結果、神の祝福を受けるのはどちらか。
ABEMA/将棋チャンネルより)
 

【中継】第72期ALSOK杯王将戦七番勝負 第一局1日目 藤井聡太王将 対 羽生善治九段
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