トップ棋士がヒヤヒヤと指さし計算する姿に、視聴者も肝を冷やした。8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」の予選Bリーグ1位決定戦、チーム深浦とチーム木村が1月7日に放送された。第1局、佐々木大地七段(27)VS高野智史六段(29)による弟子対決は、持将棋模様に。佐々木七段の師匠・深浦康市九段(50)が「どうなってるの、これ?」と声を上げるほどの大熱戦に、視聴者も大興奮の様子だった。
勝てば本戦進出が決まる大一番。先勝を飾るべく、第1局には両チームとも弟子が出立した。チーム深浦の佐々木七段の先手番で得意の相掛かりの出だしとなると、穏やかながら長い序盤戦に。解説を務めた村山慈明七段(38)が「相手の玉を攻めるよりも攻撃陣を攻める“B面攻撃”の珍しい将棋」と語る展開となった。
じりじりとした戦いから、先手玉が上部に抜け出し持将棋模様に。点数勝負へと切り替えると、踏み外せば終了の細い“綱渡り”へと展開した。控室から深浦九段は「どうなってるの、これ?9枚、10、11、12、13…」とモニターを指さし点数計算。王位3期を経験したトップ棋士がヒヤヒヤと弟子の将棋を食い入るように見つめる様子に、ファンからは「もはや何がなんやら」「数えてるw」「指さしするよねえ」「最初からすごい試合だなww」「数えるフカーラw」「わけワカメ」「別のゲームになっちゃったw」「深浦門下らしい将棋」と多くのコメントが寄せられた。
時間に追われる中で、最後は1点の差で佐々木七段が勝利を掴んだ。村山七段は「出だしから角を一枚多く持っていたのが最後に効いてきて、点数勝ちを収めることができたのでは。熱い将棋でした」と207手に及ぶ大熱戦を総括した。
深浦七段から拍手で出迎えられた佐々木七段は、「大変な1日になりそうです…」と苦笑い。激戦の疲れをにじませながらも、師匠と先勝の喜びを分かち合っていた。
◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)