東京都の小池百合子都知事が「チルドレンファースト」を掲げて、18歳までの子どもに、親の所得制限を設けず月5000円程度の給付を検討すると発表した。2022年の出生数が80万人を切る見通しであることを受けての施策だ。
【映像】当時の与党・民主党政権を批判する小池氏(2011年)
ネットでは「ありがたい」「早く給付してほしい」といった期待の一方、「これで子どもが増えるとは思えない」「再選のためのバラマキか?」のような冷ややかな声も。小池都知事は、予算の見直しで財源を捻出するため「バラマキにはあたらない」としているが、民主党政権時代の同様の政策を小池氏自身が批判した過去もあって、風あたりは強い。
作家の古谷経衡氏は「やらないよりは、やった方がいい」としながらも、5000円の算出基準が学習塾費用などの他県の差額にあると説明して、あくまで「プラマイゼロ」にしかならないと指摘する。
「ようやくスタートライン。これで子どもは増えないと思う。2万円とか出さないと。(現状の5000円では)小出し感がある」(古谷経衡氏)
前任の都知事である舛添要一氏は、かねてから小池氏が国政復帰を狙っているとみていたが、「もう国会には戻れないし、誰も戻ってきて活躍することを期待していない」と語る。政治家として生きていく道は来年の都知事選で再選するしかないとし、「ジリ貧」にならないよう目立つ政策を打ち出していくしかないのではと分析する。
また、大企業が集中する東京都は「金持ち」で、地方交付税をもらわなくてもいい財政状態のため、今回の政策は「他県では無理」だと指摘。肝心な出生率向上についても、「無理だと思う」と手厳しい。
「一番お金がかかるのは教育費。教育費がかかる国は、出生率が下がっている。韓国で1人子どもをまともな大学に通わせようとすると、1億円くらい出さないと。そうなると『2人なんて育てられるわけないだろう』と(出生率が)減っている。中国も同じ事が起こっている」(舛添氏)
もし、いま都知事だったら、どんな子育て支援を行うのか。舛添氏は、国と連携して、大学まですべてを無償化する政策を提案する。家庭は塾の費用のみを負担するかたちにすることで、貧富の差は関係なく、富裕層は余ったお金を他の用途に活用できるという。
「もし国がそこまでできないのなら、東京都だけお金があるのだから、子育て世代の都民税をタダにすればいい。『あなた3人も作ってくれた。4人目作ったら、都民税1円も払わなくていい』と。国は国税でしかやれないが、東京都の税金を片っ端からまけていく」(舛添氏)
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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