“Google一強”のネット検索を変える? 最新のテキスト生成AI「ChatGPT」、その驚きの精度
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 まるで人が書いたような文章を作り出す、最新のテキスト生成AI「ChatGPT」。企画書を書いてくれたり、小論文を書いてくれたりと、私たちの生活をがらりと変えてくれる可能性を秘めているが、アメリカでは使用禁止にした学校も。

【映像】スタジオで「ChatGPT」を実検証

 10日の『ABEMA Prime』はその性能を体験するとともに、テキスト生成AIの未来を議論した。

 試しに、「世界はAIをどう使えばいいと思いますか?200字以内でお答えください」と打ち込んでみると、次のような答えが返ってきた。

 『AIはさまざまな分野で使用され、多くの利益をもたらすことができます。例えば、医療においては診断や治療の改善に役立ちます。産業においては生産性の向上や自動化によりコスト削減に寄与します。また、社会課題の解決にも役立ちます。ただし、AIは倫理的な問題も引き起こす可能性があるため、社会と共に適切な利用方法を見つける必要があります』

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 KDDI総合研究所リサーチフェローで作家・ジャーナリストの小林雅一氏は「今までのAIと比べて言語処理能力がずば抜けている」とし、「機械学習という方法で、Wikipediaやブログ、過去に書かれた書籍など、何から何まで大量の文献を読み込んで、すごく広範囲の知識を備えている。聞けばどんな質問でもある程度答えてくれ、作詞作曲もやってくれる。仕事の面でも、新規ビジネスの企画書をまとめてくれたり、ビジネスレターを英文に訳すのもかなりの精度でやってくれたりと、何にでも使われる」と説明。

 2022年11月末、アメリカのOpenAIがChatGPTを一般公開すると、リリースから5日でユーザーが100万人を突破した。Facebookが100万人到達に10カ月を要したことを考えると、驚異の注目度だ。

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 小林氏は「2017年にGoogleが画期的な論文を発表したことをきっかけに、(テキスト生成AIは)急激に発達し始めた。今まで水面下で研究開発がされてきたが、大手企業は社会的責任があるので急には発表できない。ところがOpenAIは、優秀な人は集まっているけれども世界的に知られてはいないので、思い切って出してきた」と指摘。

 様々な文献を読み込んでいることから日本語にも対応できるというが、より精度が高いのは英語だという。小林氏は「本来、宿題は生徒や学生が賢くなるために先生が出すもの。それを“自分でやるのが面倒くさいから”“AIに任せたほうが良い論文が書けるから”としてしまうと、本人の力が育たない。教育に使うことはできないということで、ニューヨーク市は学校での利用を禁止した。倫理といえば倫理の問題だが、ITリテラシーを高めるという意味では、一概に禁止するのが良いことだとは断定できない」との見方を示した。

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 また、精度の高さとともに出てくるのが、フェイクニュースへの懸念。「箸にも棒にも掛からない回答なら無視すればいいが、でたらめだったとしてもまことしやかな口調だと説得力があるので、信じてしまう危険性がある」。

 そんな中、ChatGPTにGoogleが危機感を抱いているという。マイクロソフトの検索エンジン『Bing』が今年3月、一部の検索に対してChatGPTを使った回答を返す試みを開始するとされるためだ。米・The Informationによると、ユーザーの問い合わせに対してより会話的で文脈に沿った返答をしてくれるほか、リンクを超えた質の高い回答の提供、「Google検索」を出し抜くことが期待されているという。

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 小林氏は「今はGPT-3という技術がベースになっているが、それがGPT-4という次のバージョンに変わるのが一番重要なところ。先行して使ったアメリカのジャーナリストなどは、『驚愕、驚嘆するレベル』だと言っていて、ものすごいものが今年の半ばから年末までには出てくる可能性がある。小説を書かせても今はまだ本格的なものではないが、GPT-4が出てきたらプロが書いたような小説が出てくるかもしれない」と予測した。

 一方で、タレントの田村淳は「怖いと思う人もいると思うが、僕はワクワクしかない。止めたってその時代はやってくるんだから、“これを使ってどうやって楽しもう”“どうやったらみんなが使えるようになるか”というところに頭を働かせればいいし、楽できるところは任せてしまえばいい」と期待を寄せた。(『ABEMA Prime』より)

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