「気がついたら近くに」、間隔をあけたら「離れすぎ」…“距離が近い人”の悩み 懐に入るのがうまい人とは?
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「自分でそんなに意識していなかったが、狭い道じゃなくても肩がぶつかって『あ、ごめんごめん』みたいなことが1日に何回かあったりする」

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 キャバクラ運営会社に勤める黒谷さん(26)は、いわゆる“距離が近い人”。気づいたのは社会人2年目、店の女性キャストとミーティングをした時だったそうだ。

 「8人くらいは入れる広い部屋。先にキャストさんが座っていて、無意識に話しやすいかなと思って真横に座ったところ、『近い、近い、近い』みたいに言われた。自分と相手の関係性の認識がズレていたんだなと思って、ショックというか反省した」

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 黒谷さんはその後、人との距離感を見直したというが、中には相手との距離感がなかなかつかめず、人間関係に支障をきたしている人も。

 「嫌がらせをしようとかそういうことでも何でもなくて、気がついたら(距離が)近くなっている」と話すのは、果物農家を営んでいるまさきさん(37)。つい近寄って話をしていると、あからさまに避けられてしまうこともあるそうだ。

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 「ちょっとずつ距離をあけられていく感じ。(相手は)何かを取りに行って別の場所に離れて座るとか」

 次第に会うことを避けられ、電話だけのやりとりになったり、関係が切れてしまったりすることもしばしば。「距離が近い」と直接指摘を受けた際には、相手に合わせようと間隔をあけるが、今度は「離れすぎ」と言われてしまうという。

 「どう対処していいのかわからない部分はある。人と喋るのは本当に好きだが、距離感を考えるとあまり(自分から)喋りかけないほうがいいのかなと思ってしまう」

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 距離感の悩みは対面だけではない。コロナ禍、Twitterで積極的に交流を始めたというある女性。自分の投稿によくコメントしてくれる男性に対し、「絵文字もいっぱい使ってくれていたので、仲良いかな」と思っていたという。

 ある日、男性が出先の写真を投稿した際、「私も行ったことある!」とコメントしてその後のやりとりにワクワクしていたが、「『あ、そうですか』とあっさりした返しで、仲良かったと思ってたけどそうじゃないんだなと。ちょっとショック」。

■懐に入るのがうまい人とそうでない人の違いは

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 人のパーソナルスペースはどのように決まるのか。公認心理士の川島達史氏は「いろいろな要因が絡んでくるが、代表的なものがまず遺伝。最近の研究だと、遺伝で50%くらい外向性が決まってくると言われている。性別で言うと、男性は比較的前を警戒する傾向があり、女性は円状に等しくという感じ。男性×男性だと距離をとりがちで、女性×女性だと距離が近い。また、若い時には近くて大丈夫でも、中年になってくると距離をとって、さらに年を重ねるとまた近くなって、といった研究もある。環境の要因は大きくて、日本人みたいに満員電車に慣れていると狭くなったりもする」と話す。

 フリーアナウンサーの吉川美代子氏が「すごく優秀な営業マンに聞いたが、本当に大事な営業の話をする時は、対面よりも90度のところが一番いい、成功する確率が高いと言っていた」と紹介すると、川島氏は「カウンセリングでもクライアントさんによって変わってくる。90度がいいとか、このへんがいいとか、本人に選んでもらったりしている」と明かす。

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 では、懐に入るのがうまい人とそうでない人の違いはどこにあるのか。「心理学の理論で『ポライトネス理論』、相手の丁寧さに自分のレベルを合わせるとわりとうまくいくという理論がある。丁寧な文化の場合はあまりずけずけいかないで、ちょっとずつ詰めていく。ポライトネス度がわりと低い文化というのが、関西の人。丁寧にやると逆によそよそしい感じになってしまうので、そういう場合はガンガンいったほうがいい。また、私みたいにカウンセリングをする立場だと『限界吟味』という考え方がある。要は愛情の確認で、“あなたはどこまで付いてこれるんだ”という確認で重たい話をしてきて、そこで壁を作られるかどうかで愛情の深さを確認している」。

 その上で、距離感の取り方については、「最初はやはり表面的なところから、例えば食べ物とか旅行の話といったレベルから始める。だんだん仲良くなってきたら仕事の悩みとか本質的な話、という感じでやるのが、面白いかどうかは置いておいて安全ではある」と勧めた。

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 また、ネット上の距離感に慣れすぎるのは危険だとも指摘。「SNSで代表的なのが、非言語コミュニケーションが不足しがちになること。そこでソーシャルスキル(人間関係を築く技術)が低下すると、孤独感や対人不安が増えて、またソーシャルスキルの低下につながるという悪循環に陥ってしまう。とはいえ、SNSを使っている人のほうが現実の人間関係も多いという研究もあったりする。一概にSNSを使ってはいけないということではなく、両方を組み合わせて使っていくのが一番いいと思う」とした。(『ABEMA Prime』より)

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