将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)は1月18日、順位戦A級7回戦で豊島将之九段(32)と対局を行っている。ABEMAの中継には、佐々木勇気七段(28)が出演。藤井竜王の最近の印象について、「さらに強くなっている。竜王防衛戦からギアを上げてきた」と語った。
現在、初防衛をかけて将棋界のレジェンド・羽生善治九段(52)を挑戦者に迎えた王将戦七番勝負を戦っている藤井竜王。スーパースター同士による“世紀の一戦”の開幕局を制し、第2局を3日後に控えたこの日は、豊島九段と順位戦A級で初対戦とハードスケジュールをこなしている。藤井竜王VS豊島九段といえば、昨年7月の王位戦七番勝負を含む4つのタイトル戦での激闘も記憶に新しい。渡辺明名人(棋王、38)への挑戦者争いも佳境に突入しているとあり、好カードに大注目が寄せられている。
ABEMAの中継には、佐々木七段が出演。若き絶対王者・藤井竜王について「最近の将棋を見ているとさらに強くなっているなという印象です。棋譜を見ると、竜王戦の防衛戦からギアを上げてきたなと感じますね」と語った。
昨年の竜王戦七番勝負では、広瀬章人八段(36)を挑戦者に迎え4勝2敗で初防衛を果たした藤井竜王。しかし、シリーズを振り返り「広瀬八段に序盤から工夫をされる将棋が多く、それに対してなかなか良い指し方が出来ないことが多かった。未知の局面に対する対応力はまだまだ足りていない」と課題を口にする場面もあった。
竜王初防衛を飾った以降もその勢いは止まるところを知らず、棋王戦コナミグループ杯で初の挑戦権獲得、王将戦開幕局で白星発進など白星を積み重ね、現在は9連勝中となっている。
本局は藤井竜王の先手番。先手番では20連勝中とあり、豊島九段の作戦も見どころとなっていた。戦型は角換わり腰掛け銀に。対戦全30局のうち直近10戦では相掛かりが1局、角換わりが9局とあり、本局で10局連続で角交換が選択された。深い事前準備で知られる豊島九段が研究に誘導するも、藤井竜王も想定内だったか即座に反応。終盤戦での激しい攻防が見物となっている。
佐々木七段は、藤井竜王の研究内容の変化にも触れ「相掛かりを軸に指していたところから、角換わりの研究勝負に切り替えて、その研究がピタッとはまったというか。どれもいい内容で勝ってきているなという印象がありますね。持ち時間の使い方も意識されているのか、残すようにされていますよね」とコメントしていた。
今期の順位戦A級では、初参加の藤井竜王が5勝1敗と単独首位に立っている。豊島九段は4勝2敗で本局を迎えており、藤井竜王が最年少名人獲得へ前進するか、豊島九段が混戦に持ち込むかの大一番を迎えている。本局ではどのようなクライマックスが待っているのか、この後の展開から目が離せない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)