20日、新型コロナについて5類感染症への引き下げを検討するよう、大きな方針転換を指示した岸田総理。23日からはいよいよ通常国会に臨むことになるが、与野党論戦の焦点と見られているのが防衛増税だ。
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与野党の激しい論戦が予想される中、自民党内でも議論が不十分という声があがり、特命委員会が設置された。
防衛予算増額の行方は果たしてどうなるのか、ニュース番組「ABEMA Prime」に出演したネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「僕は岸田政権が国民の声を聞かないでやりたい放題やっているのは、結果的に良かったと思う」とコメント。
「何もしない人がダラダラと、じわじわと悪くなるよりはとりあえず何かやってみたほうがいい。何もしないよりは全然いいと思うが、増税ではないだろうとみている」
自民党の特命委員会でもさまざまな意見が出ている防衛増税。産経新聞政治部編集委員の阿比留瑠比氏は「まず、順序が違うのはその通りだ。岸田さんは良くも悪くも吹っ切れてしまった。最近は自分でパッと打ち出すことが多い。確かにいい面はあるが、一方で税は国の根幹だ。全員の国民に関わることだから、こういった問題はあまり順序を飛ばしてほしくない」と話す。
防衛費増額、増税、コロナ5類、異次元の少子化対策。これらは全て岸田総理が表明しているものだ。阿比留氏は「何もやってない時は内閣支持率が高かった。いざ何かやり始めたらどんどん下がった。歴代政権はみんなそうだ。何もやらないときが一番安定する。だが、やるべきことをやろうと、彼なりに考えていると思う」と見方を示す。
阿比留氏の説明に、ひろゆき氏は「与えられた予算の中で最適なものを作るべきなのに、いまだに岸田総理はできていない」と指摘。
「石破茂さんが防衛大臣をやるなら、僕はアリだと思う。単に政治家のポストとして、防衛大臣に『とりあえずこの人を置いておこう』と適当にやらせている。過去、日本はアメリカからイージス・アショア(※アメリカ製の新型迎撃ミサイルシステム)を買った。調査にもお金を費やして、調べたらどう考えても無駄で使えないから、当時防衛大臣だった河野太郎さんが導入をやめた。アメリカから『これを買え』と言われて買うようでは、防衛計画なんか作れるわけがない。結局、安倍元総理もそういう意味では、軍事を分かっていなかったのではないか」
安倍元総理はどのような防衛をイメージしていたのだろうか。これに対して阿比留氏は「安倍元総理は去年の春あたりに『日本には継戦能力がない』と言っていた。要するに、武器も弾薬も燃料も施設もいろいろなものが足りていない。日本が攻められたとき、武器、弾薬が何日持つか。ほんの数日しか持たないだろう。ウクライナのような粘り腰で、支援を待つなんてことは現状できない。お金の使い道なんて、いくらでもある」と話す。
また、ひろゆき氏の意見について、阿比留氏は「いろいろな見方があって一概に否定しないが、イージス・アショアの購入が決まった段階では、まだ北朝鮮などのミサイルが今のような状況ではなかった」とコメント。
ひろゆき氏は「結局、自衛隊の防衛力を上げないように放置して、役に立たないものを入れたのは正しくないと僕は思う。自民党も何も変わっていない。『ロシアのウクライナ侵攻があるから変えよう』ではない。要は防衛力を上げるために『本当に必要な金額はここに費やすべきだよね』と、合理的な判断をできる人がトップにいなかった。その結果が今だ。防衛費を増額しようとしても、何を買うべきなのか判断できる人がいない。また無駄遣いして終わりではないか」と指摘する。
制度アナリストの宇佐美典也氏は「性能は別として、イージス・アショアを買うと決めたのはそれなりに合理的な判断だと思う」と話す。
「なぜかというと、アメリカの機嫌をとることこそが日本の防衛にとって合理的だからだ。だから『買え』と強く言われたら、前提として買う。今回もG7全体で、特にアメリカから『防衛費を増やせ』と言われたから増やした。防衛能力を高める合理的な判断だ。ただ、積み上げがないと、いくらなんでも国民は受け入れられない」
専業主婦から外資系ホテル日本社長、IT業界に転職した薄井シンシア氏は「要するに増税はどちらでもいいから、早く政治家には国が抱えている防衛や少子高齢化などの問題に優先順位をつけてほしい。お金はいくらでもあるわけじゃない。お金はどこに費やすのか、明確に優先順位をつけてほしい」と述べる。
プロレスラーの男色ディーノ氏は「今この状況だから国が防衛費を増やすのは分かる。ただ『お金さえあればもうちょっとマシになる』と思える程度が正直分からない。防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)の2%程度に増額したとき、不安は払拭できるものなのか」と投げかける。
ひろゆき氏は「いくらお金を積んだら日本人が『これで中国やロシアが攻めてきても大丈夫』となるのか。ディーノさんの疑問に答えると『いくら積んでもならない』だ。なぜなら核がないから。防衛費をいっぱい積んで『日本は絶対に攻められない。安全だ』という状態にはならない」と回答。その上で「宇佐美さんが言った『アメリカの言いなりでお金を払うしかない』は本当にごもっともだ」と話す。
「いくら日本が兵器を頑張って作っても、やっぱりアメリカがいないと中国やロシアが来たら日本は勝てない。そうするとアメリカにいくら払えるか、長期的にどれくらい払い続けられる構造を作るか。そういう話になっていく。アメリカがそっぽを向いた途端に、ロシアや中国に日本がやられても誰も助けてくれない。国力と人口は相関するので、人口をいかに増やすか、どうやって儲けるかを考えないといけない。増税で国民の活力を減らして、子ども減ったら、長期的に日本がダメになる」
(「ABEMA Prime」より)
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