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 1月22日、神奈川・横浜アリーナでプロレスリング・ノアABEMA presents GREAT MUTA FINAL “BYE-BYE”』が開催され、2.21東京ドームで引退が決まっている武藤敬司の“化身”グレート・ムタのラストマッチが行われた。

 30年以上の長きにわたり、日米を股にかけて闘い続けてきたグレート・ムタの最後の舞台は、これまで数々の伝説を残してきた約束の地、横浜アリーナ。ムタはアメリカWCW時代のライバルで盟友でもあるスティング、AEWの新鋭ダービー・アリンと組み、元WWEスーパースターの白使、代理人・武藤の同期であるAKIRA、ノアの象徴・丸藤正道と対戦した。

 千両役者揃いの6人タッグマッチは入場から圧巻だった。まず丸藤が顔の半分と上半身にペイントを施し入場すれば、AKIRAは連獅子姿で顔面に隈取りを施して登場しコーナーで蜘蛛の糸を発射。そして白使が卒塔婆を持った従者を従えて入場し、白頭巾を脱ぎ捨て般若心経が書かれた顔が露わになるとどよめきと大きな拍手が巻き起こった。

 続いてムタ組が登場する前、場内に鼓の音色が響き渡り「ヤンキーステーション」のテーマとともに“ムタのパパ”であるザ・グレート・カブキが入場。リング上でヌンチャクの舞いを披露したあと、“元祖”赤い毒霧を吹き上げ、息子の最後に華を添えた。

 そしてムタ組は、まずダービー・アリンが入場花道のスロープをスケートボードに乗って入場。続いてスティングが80年代末から90年代前半にかけて水色がイメージカラーだった時代のテーマ曲を前奏に使う演出から、黒バット片手にWCW全盛期以降の黒スティングとして入場。そして最後は、日本初登場時と同じ『MUTA』のテーマ曲に乗ってムタが現れ、頭巾を脱ぐと顔には「Bye Bye」と書かれていた。

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 試合はムタと白使の先発でスタート。長い睨み合いから、まずはムタが緑の毒霧を吹き上げ威嚇。ムタからスティングに代わると、スティングvs丸藤、スティングvs白使という新鮮な闘いも実現。エプロンに立つ白使をスティングがショルダータックルで鉄柵外の本部席のテーブルまで吹っ飛ばすと、ムタはマイクコードで白使の首を絞め、さらに従者から卒塔婆を奪い取り真っ二つに破ると、その先端を脳天に突き刺し白使が流血。1996年4月29日の新日本・東京ドームで実現したムタvs白使の初対決がフラッシュバックするようなシーンも見られた。

 中盤、アリンが場外の丸藤をイスに座らせるとコーナー最上段からミサイルキック。さらにスティングとアリンがコーナーへの連続串刺しスプラッシュを見せたあと、スティングがAKIRAに代名詞であるスコーピオン・デスロック。これは丸藤にカットされるが、代わったムタがドラゴンスクリュー、串刺しシャイニング・ウィザードで追い込む。

 しかし、とどめのシャイニング・ウィザードをAKIRAがガードすると、逆にムタに対してムササビプレスを発射。これはカウント2で返すが、代わった白使がトップロープからの手刀、倒れ込み式のダイビングヘッドバッドを決め、さらにAKIRAの延髄斬り、丸藤の虎王も決まりムタがピンチに陥る。

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 ここで自らの額から流れる血を口に含み狂気の形相となった白使が仕留めにかかる。強烈な地獄突きからロープ拝み渡りにつなげるが足を踏み外し転落。すかさずムタが白使の顔面に緑の毒霧を吹きかけ、シャイニング・ウィザード。

 最後はスティングのスコーピオンデスドロップ(リバースDDT)、アリンのコフィンドロップ(背面式ダイビングスプラッシュ)のアシストを受け、ムタが白使にシャイニング・ウィザードを完璧に決めて3カウントを奪った。

 ラストマッチを勝利で飾ったムタは、場外の従者から卒塔婆を再び奪い取ると、倒れ込む白使の額の血で卒塔婆に文字を書き込む。1996年4.29東京ドームの一騎打ちでは「死」の文字だったが、今回は「完」と書き込み、ムタ流のメッセージで闘いを締め括った。

 最後はスティング、アリンの肩を借りて花道を退場。そして二人を先に引き上げさせると、緑の毒霧を吹き上げ、首をかっ切るポーズを決め、スモークの中へと消えていったムタ。バックステージでは「バイバイ、エブリバディ。ノーモア・ムタ、グッバイ」の言葉を残し、日米プロレス界のレジェンドが真の伝説となり、魔界へと帰っていった。 

(C)プロレスリング・ノア

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