難聴の娘とともに手話を学びながら、娘との日常をTwitterで発信している母親。聴覚障害を抱える娘をどう育てていけば良いのか、手さぐりで進みながらその様子を発信する母親のチョビ輔さんの思いを取材した。
「先天性の混合性難聴で、いま補聴器を着けているが、着けていてもあんまり変わらないのでそんなに聞こえていないのかなと思う」(母親のチョビ輔さん、以下同)
チョビ輔さんは2019年に次女を出産。その後のスクリーニング検査で難聴と判明。当初は不安も感じたが、次第に娘の難聴を受け入れていったという。
「『どうやら(耳が)聞こえる子と同じようにはならないらしい』と段々わかってきて、『じゃあどうしようかな』と。でも色々調べていく内に、聞こえなくても色々な人生の方がいるんだなって思った。ちょっとずつ娘の手話がでてきたときに、(病院で)お医者さんから『この子の第一言語は手話だね。すごいね』みたいな感じで軽く言われて、家族のなかに違う文化をもった人がいるっていうのをちょっとポジティブに捉えられるようになった」
チョビ輔さんは手話を勉強しながら、次女と手話で話す様子をTwitterに投稿している。きっかけはある一本の動画だった。
「娘がシャドーイング、テレビの手話を真似している姿を後ろから撮った動画をすごいたくさんの人に見てもらえて。テレビに出ているろう者の方にも見てもらえたりと、繋がっていった。娘には今後プラスになるだろうなっていうのは思ったし、そこのつながりを自分が閉ざしちゃいけないなというのは少しある」
娘の味方を増やしたい。そんな思いでチョビ輔さんは夫婦で話し合い、次女と手話で話す様子を投稿し始めた。
投稿を始めてから1年。娘よりも自分たち親の方に変化が起きたとチョビ輔さんは話す。
「耳が聞こえない世界にしっかりと向き合おうっていう風に自分は変わったが、娘はそんなに変わっていない。それまでは自分のやっていることって正しいのかなとか、聞こえない子を聞こえる親が育てるってどうすればいいのかなって探り探りやっていたが、『言語を獲得する工程をTwitterでアップしていく』っていう風に決めたときに、娘の言葉と向き合う覚悟みたいなのができた」
今では耳の聞こえない子供たちのワークショップで、他の保護者から声をかけられることもあるというチョビ輔さん。同じような境遇の母親に向けて、こう話してくれた。
「私の場合は他のろう者の方を見て、『こんな風に素敵な人に育ってほしいなあ』と先の未来が見えることによってすごく安心した。耳が聞こえない子どもが生まれて『どうしよう』と思っている人が、自分の動画を見て少し先の未来を想像して安心できたらなと思っている。マイナスに捉えずに何でもできると思ってほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)