サービス開始から1日で、配信停止を発表したシングルマザー限定のマッチングアプリ「coary(コアリー)」。有名起業家・前澤友作氏が監修し、リリース前から注目を集めていたが、ネットではさまざまな懸念の声が上がっていた。
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Twitterでは「子供の情報を入力するのは、ちょっと怖いよ」「『シンママ限定で付き合いたい男性』って何目的?」「暴力などが原因で別れた元夫に見つかってしまうのでは?」などの声が殺到。子供の情報を入力することに加え、男性側は子供のいる女性との恋愛を希望する人のみが対象となるため、加害目的の相手と出会ってしまうリスクが指摘された。一方で「シンママにとって恋愛が難しいのは事実」「恋愛というより支え合える存在が欲しいのでは?」との声もある。
サービス開始から1日で、配信停止を発表したシングルマザー限定のマッチングアプリ「coary(コアリー)」。有名起業家・前澤友作氏が監修し、リリース前から注目を集めていたが、ネットではさまざまな懸念の声が上がっていた。
ニュース番組「ABEMA Prime」に出演したシングルマザーのまる子さん(38歳)はこう話す。
「『coary』の“シンママ限定”に、とても疑問を持った。登録する男性側はシングルファザーや離婚歴がある人だけではないのに、『なぜ女性側だけが?』と思った。『シンママだから選ばれる』の理解ができなかった。マッチングしたらどうなってしまうのか、すごく疑問を抱いた」
12歳男児と7歳女児の3人家族で、子育てをしながらマッチングアプリで出会った男性(29歳)と交際を続ける、まる子さん。
「coaryは見てもいないし、登録もしていない。別のマッチングアプリは以前利用していた。そのときは、シンママであるとプロフィールにきちんと書いた。『それでもいいよ』という人とマッチングしたかった。『たまたま思いを寄せてくれたのがシンママだった』が自然だと思う。『シンママだから好きになった』と言われても『なんなの?』と思ってしまう」
シングルマザーと明らかにすることで、何か影響があるのだろうか。
「出会いは少なくなると思う。フリーと比べて、時間の融通も利かない。理解がある人も少ない印象だ。『理解している』と言いながら、実は違う目的だったこともあった」
実際に婚活アプリを運営する会社は、一連の流れをどのように見ているのだろうか。
シングルマザーのおよそ2割が登録している婚活アプリ「マリッシュ」代表の飯田一寿氏は「具体的な内容が明らかにされていないので、あくまでも推察という形になる」とした上で、こう話す。
「サービスの名称『coary』から『子供あり』のイメージが先行しすぎてしまった。『子供がいる女性と恋愛がしたい人』の中に不適切・不健全な人が多くいて、批判を招いてしまったのではないか」
加害目的を持った男性の選別は可能なのだろうか。
「マッチングアプリでは、さまざまな方が登録してくる。不健全・不適切な方、利用規約に反する方を排除する、安全のためのチェック体制が一番大事になる。『coary』に関しても、不適切な方が入ってきてしまうのは仕方ないと思う。その方をどうやって排除するのか、排除できなかった場合どうするのかが問題だ。弊社はAI判定とユーザー通報、スタッフの目視パトロールの3本立てだ。セキュリティの仕組みが、今後『coary』の再リリースにもつながってくる大きなファクターになるだろう。前澤さんの『シングルマザーのお手伝いをする』という方向性は、我々も一緒なので賛成だ」
マッチングアプリの取材経験を持つノンフィクションライターの石戸論氏も「マッチングアプリ業者は、犯罪目的の出会いに対する警戒心が非常に強い」と話す。
「例えば、大手のサイトでは、入会に際して身分保証を課したり、男性に対して有料化を行っている。つまり、そこで登録に対してハードルを上げている。その上に24時間対応で、自社で相談窓口を設けて何かあったらすぐに連絡がくる。もし犯罪行為につながりそうなことがあれば、警察との連携も含めてリーガルチームと共に考えて対策をしている。今回『coary』でその対策がどうなっていたかに尽きる。伸びているサービスはセキュリティ対策がしっかりしている。ここをもう少し学んで出さないことには、再スタートは難しい」
(「ABEMA Prime」より)
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