レスリングと柔術。UFCとの契約を争う日本人対決は、開始わずか30秒での衝撃KO決着となった。
米ラスベガスで開催されたRoad to UFC『UFCファイトナイト・ラスベガス68』のバンタム級決勝で中村倫也と風間敏臣が対戦。試合は1ラウンド、中村が左ストレートを打ち抜いて圧巻の30秒殺KO勝ち。「15年夢見た」というUFCとの契約を獲得し、勝利直後にリングに正座し目をつぶりながら手を合わせた。
1回戦で一本勝ち、準決勝はKOフィニッシュで勝ち上がった中村と、判定勝ち、不戦勝で勝ち上がった風間の対戦。奇しくもUFCとの契約を争うトーナメントの決勝は日本人同士の顔合わせとなった。
試合は衝撃の秒殺KO決着。中村の打撃をもらいながらも前に出る風間。蹴りをかいくぐってプレッシャーをかけつづけるが、中村の右フックを被弾し尻もちをつくと失速。ダメージの回復を図らずに真っ向勝負の打ち合いを挑んだ風間だったが、中村の左右の連打から左ストレートを打ち抜かれ大の字に崩れ落ちてダウン。そのまま試合終了となった。
開始からわずか33秒、圧倒的なKO劇に視聴者からも「圧倒的だな」「凄まじい」「打撃センス、当て勘がすごいな」といった反応。柔術の極めが真骨頂の風間が打ち合いに挑んだことについては「打撃を意識させないとテイクダウンできないからしょうがない」「もう少し慎重に行けば…」など余りにも早すぎる日本人対決の決着に驚きの声が相次いで寄せられた。
試合後、リングに正座して祈るようにしばし目をつぶり手を合わせた中村は、勝利者インタビューで流暢な英語で関係者へ感謝の気持ちとともに試合を振り返り「ダウンシーンは集中しすぎて覚えていない。UFCは15年間夢みていた舞台、これは僕にとって重要なことです。これからどれだけ僕たちのチームや家族、日本の格闘技が素晴らしいか証明したい」と今後の抱負を語った。