さすがに「~~です!」という語尾まではつかなかったが、無邪気に喜ぶ姿は本家そっくりだ。8組の師弟により“最強の師弟”を決める超早指し戦「ABEMA師弟トーナメント2022」の本戦トーナメント準決勝第2試合、チーム谷川 対 チーム木村が2月4日に放送された。スコア2-1とチーム木村が決勝進出に王手をかけていた第4局は師匠同士の対戦になったが、ここでチーム木村・高野智史六段(29)が師匠・木村一基九段(49)の好手に「やったー!」と大喜び。その無邪気さにファンが「やったですー」「かわいいw」とほっこりすることになった。
高野六段は「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つ木村九段に弟子入りすると、その棋風を受け継ぐかのように粘り強い受けを特徴に、2019年度には若手棋戦の一つである新人王戦で優勝を飾ったこともある。現在も、最年長での初タイトル獲得記録を持つ師匠の背中を追いながら、研鑽を積む日々を送っている。また由来は定かになっていないが、いつからかアニメ「サザエさん」に登場するキャラクターの「タラちゃん」がニックネームとしてファンの間で定着するようになった。
2大会連続して師匠とトーナメントに参加した高野六段は、超早指しのフィッシャールールでも強敵を次々と破る木村九段の戦いぶりを、控室で毎回、食い入るように見ている。勝てば決勝進出という一局であれば、なおさらだ。木村九段が谷川浩司十七世名人(60)の隙を逃さないような一手を繰り出した瞬間「5五歩、5五歩、やったー!」と大喜び。師弟の思いが重なった瞬間が大きな勝負の分かれ目でもあったようで、ここから木村九段は一気に形勢をリードし、74手で快勝を収め、決勝進出も決定した。
対局直後も満面の笑みで喜んだ高野六段だったが、ファンはその様子に続々と反応。「かわいいタラちゃん」「喜んでる」「タラちゃん控え室はニコニコ」と、コメントが寄せられた。次回はいよいよ決勝戦。高野六段の対局、師匠を応援する様子、どちらも必見だ。
◆ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)