「大ブーム」「人気」「話題」…。こうしたフレーズはニュースやSNSで見ない日はなく、もはや常套句であるが、果たしてブームや人気に基準はあるのか?
一方で、「盛らないシンプルな言葉」の方が現代人に刺さる傾向もあるという。
世に溢れる情報に翻弄されないために必要なことはなにか、専門家に聞いた。
昨今、「風呂なし物件が若者の間で密かなブーム」――そんな見出しがさまざまなメディアにのぼったがネットには、
「レトロブームやシンプルライフみたいに取り上げないで! ただお金がないだけ」
「銭湯やジムで風呂には入れるけど、病気になったときに困る」
という声も。風呂なし物件や銭湯が近くにある物件の紹介も行っている不動産探しサイト 東京銭湯ふ動産に問い合わせると
「(応募が)増えている感覚はない。ブームや人気があるというのは違和感」
との回答。ブームの実態は見つけられなかった。
とはいえ、イソップ童話の『オオカミ少年』ではないが、本当にブームが起こり、人気となり、人が殺到しているケースもあるだろう。
盛りワードの基準を統計学者の鳥越規央氏に聞くと
「統計学では、流行っているかどうかは10%という基準があります。この数値を下回っているにもかかわらず『ブーム』と宣伝しているのは『盛っている』といえます。また、ブームとは異なる炎上について。炎上は書き込む人は数人しかいなくても、リツイートや拡散する人が多く、擁護とアンチのバランスでアンチに振れると起こりえます」(鳥越氏)
ただ、この状況も最近は変わってきているという。映画コメンテーターの有村昆氏に尋ねた。
「これまでは映画のキャッチコピーとして『全米が泣いた』『今世紀最大のアクション超大作』などが定番でしたが、SNSが台頭しだしてからは、宣伝は口コミが最重要。人は盛られたキャッチコピーよりも映画の内容を求めるようになり、『盛りワード』を入れづらくなっている」(有村氏)
最近のヒット映画のコピーについて尋ねると
「最近はシンプルで盛らない傾向にあります。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』では「アバ体験」、『THE FIRST SLAM DUNK』は「ただ、負けたくなかった。」がメインの見出しとして用いられ、名コピーとされています」(有村氏)
これからはどんな言葉が“騙されない現代人”の心を動かしていくのか。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側