執拗にボディへ突き刺さること計30発。ムエタイのノリでヒザ蹴りを全振り。相手の心を完全に折る無慈悲なスタイルに「これは心折れる」「昔のUWFを思い出した」など驚きと同情の声が上がる一方、試合直後、勝者が披露した武尊ばりのパフォーマンスに注目が集まる一幕があった。
2月10日にタイ・バンコクで開催された「ONE Friday Fights 4」。ピーター・ダナソー(タイ)とアキブ・アワン(パキスタン)の対戦は、ムエタイ上がりのダナソーが1ラウンド後半、掴んでからヒザの12連発でパキスタン人ファイターを戦意喪失KOに追い込んだ。
タイ人ストライカーで4連勝のダナソーとMMA3連勝で無敗のアワン。ローカル大会からのし上がってきた未知数のファイター同士の対戦。ゴング開始とともにローの蹴り合い、ダナソーがストレートでアワンをグラつかせる。尻もちをつきアワンが下からヒールをひねり一本を狙うも、極めきれない。
立ち上がったダナソーは掴みながら中腰でヒザを11連発。たまらず腰を落としたアワンをガッチリ掴みながらさらに2発。さらに足を払って相手を放り投げるなど一方的な展開。
それでもダナソーの無慈悲モードは続く。再び中腰で掴みながらヒザ、縦ヒジを顔面に入れヒザ、ヒジ、ヒザ、足払い、パウンドとまさにやりたい放題。
ストリートファイトのような荒々しい戦いぶりに「この選手絶対ケンカが強い」という声も上がるなか、マウントポジションをとったダナソーは冷酷にアワンを削っていく。袋叩き状態のアワンも腕を狙いわずかチャンスを狙うが、上からヒジが降り注いでダメ押し。
なんとか後ろを向くリスクを取りながら立ち上がるアワンだが、スタンドでもヒザとヒジの集中砲火で腰が引けた状態が続く。ロープに押し込み寝技に引き込みたいアワンだが、再びダナソーのヒザが1発、2発、3発…さらに腰に力が入ったボディにめり込むヒザを計12連発。ここでアワンは、まるでライフゲージがゼロになったように“戦意喪失”状態でヒザから崩れ落ちた。
怒涛のヒザで勝利をもぎ取ったダナソーは、武尊を彷彿とさせるトップロープから華麗なバク宙を見せ余力をアピール。視聴者からも「圧倒的」「わがまま膝小僧」「MMAでヒザ決着は珍しいムエタイの勝ち方」「MMA+ムエタイの融合」など称賛の声が相次いだ。
一方、5分間のラウンドでおよそ30発のムエタイ仕込みのヒザの餌食となってしまったアワン。最後は嫌倒れで頭を抱えて戦意喪失状態と全くいいところ無しでの敗戦には、「ヒザ地獄だ」「これは心折れるわ」と同情の声。近年の総合格闘技では珍しい執拗なヒザでのフルボッコに「昔のUWFを思い出した」といったコメントも寄せられた。
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