内藤哲也に続き、オカダ・カズチカもノアに乱入! 2・21東京ドーム、武藤敬司の引退記念大会に向けて高まり続けるファンの熱量
【映像】オカダがノアのリングに乱入! 清宮を蹂躙
この記事の写真をみる(2枚)

 2月12日、エディオンアリーナ大阪で開催された『NOAH GREAT VOYAGE 2023 in OSAKA』は、きたる21日の東京ドームにおける武藤敬司の引退記念大会に向けて、またノア新時代に向けて、大きなうねりが起こる大会となった。

【映像】オカダがノアのリングに乱入! 清宮を蹂躙

 まず、メインイベントのGHCヘビー級選手権試合の前に武藤が登場。新日本プロレスの内藤哲也を引退試合の対戦相手に指名した翌日の1・22横浜アリーナで別人格のグレート・ムタとしてのファイナルマッチを行った際に両脚のハムストリングスが肉離れを起こして「歩くのもままならない」と告白。引退試合への出場が危ぶまれていたが、しっかり花道を歩いてリングインしてみせると「正直、コンディションはそんなによくないんです。しかしながら最後の試合、持てる力をすべて出し切って頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします」と力強く宣言した。

 この直後にサプライズ。何と対戦相手の内藤が純白のコスチュームという正装で現れたのだ。

 1999年12月10日、高校2年生の時に同所で行われた武藤vs天龍源一郎のIWGPヘビー級戦を見るために東京から来たこと、天龍に敗れた武藤を見て泣きそうになりながらホテルに帰った過去を告白した上で「武藤敬司選手に完勝し、そして悔しい思いをしながらリングを降りていただきますよ。それが、俺をプロレスに熱中させてくれた武藤敬司選手への恩返しだと思っているんでね」と、敬意と覚悟を示したのである。

 このところ「花道をしっかり歩いてきた? やせ我慢だよ」「みんなで盛り上げてくれるほど、プレッシャーがのしかかってくる」「引退試合、1ヵ月延期してくれねぇかな(苦笑)」と、ネガティブな言葉も飛び出していた武藤だが、内藤の決意表明に「最後の一試合だから、火事場の馬鹿力がでてくるんじゃないかと(自分自身に)期待してますよ」という前向きな言葉が飛び出した。内藤はしっかり武藤に点火したのだ。

内藤哲也に続き、オカダ・カズチカもノアに乱入! 2・21東京ドーム、武藤敬司の引退記念大会に向けて高まり続けるファンの熱量
拡大する

 そして、いよいよ王者・清宮海斗にジャック・モリスが挑戦するGHCヘビー級戦。モリスは昨年8~9月の『N―1』に初来日し、日本デビュー戦となった8・11横浜武道館での清宮海斗との公式戦にタイガードライバーで勝利している新鋭だ。

 ノアのレギュラー外国人のポジションを掴み、12・19後楽園ホールでN―1公式戦では敗れている中島勝彦、年明け元日の日本武道館でトップ外国人のティモシー・サッチャーに勝つなど、地道に実績を残してきた。さらに元全日本プロレスのジェイク・リーと握手し、ここにアンソニー・グリーンが合流してGLG(グッド・ルッキング・ガイズ)なるユニットとしても始動、1・8後楽園ホールのタッグマッチ(ジェイクと組んでのvs清宮&稲村愛輝)で清宮をまたもやタイガードライバーでピンフォールして挑戦の名乗りを上げたのである。

 26歳の清宮と29歳のモリスの激突は、新世代のGHC戦。“令和GHC新章”として、未来に向けての新たなライバルストーリーが生まれるか注目されるなか、両雄は因縁や遺恨もなく、純粋にプロレスラーとしての心技体をぶつけ合った。

 クリーンな握手からスタートした試合は、リストの取り合い、アームドラッグの応酬、腕の取り合いとテクニック勝負だ。テレビ解説の武藤はモリスを「細かいレスリングがうまい」と高評価。

 清宮がミサイルキック、リバースDDTを仕掛ければモリスはファルコンアロー、ムーンサルトアタックで対抗。モリスがGLK(グッド・ルッキング・ニー=オリジナルの膝蹴り)を放てば、清宮はジャンピング・ニーを炸裂させて打撃でも両雄は一歩も引かない。

 互角の攻防から15分過ぎ、タイガードライバーでカウント3ギリギリまで追い込まれた清宮だったが、GLKをカウンターのその場飛びシャイニング・ウィザードで迎撃すると、右腕をチキンウイング、左腕をハーフネルソンに捕らえての変型タイガードライバー! 最後は武藤が「100点!」と認めた変型シャイニング・ウィザードで19分11秒の熱闘に終止符を打った。

 この日の第8試合ではマサ北宮と稲葉大樹が杉浦貴&小島聡のタカ&サトシを撃破してGHCタッグ王座を奪取。「俺たちのノア」に確かな手応えを掴んだ清宮は「やっとここ大阪で始まりました。この新世代の勢い、これからもっともっと大きくしていきます。まだ発展途上ですが、俺たちの勢いでこのノアをもっと世の中に、そして“プロレスといえばノア”という時代を創ってみせます!」と高らかに宣言。会場は海斗コールに包まれた。

 新時代到来を感じさせるハッピーエンド…と思いきや、次の瞬間、とんでもないハプニングが待っていた。2・21東京ドームでの清宮戦をボイコットしていた新日本のオカダ・カズチカがTシャツ姿で乱入するとレインメーカーで清宮をKO。ノア新時代の幕開けを踏みにじる形で対戦を受諾したのである。

 怒号とブーイングに包まれてしまったノア新風景のエンディング。この屈辱を清宮海斗はどう晴らすのか? そして「プロレスの神様が最後に与えた試練」として怪我と戦いながら引退試合に向けて懸命の治療とリハビリを続ける武藤敬司。いざ、東京ドームへ!

文/小佐野景浩
写真/プロレスリング・ノア

この記事の画像一覧
オカダ・カズチカ「ビビってるわけも、逃げるわけもねーだろ!」ノアのリングに“禁断”の乱入! 武藤敬司“引退”興行で清宮海斗と激突へ!
オカダ・カズチカ「ビビってるわけも、逃げるわけもねーだろ!」ノアのリングに“禁断”の乱入! 武藤敬司“引退”興行で清宮海斗と激突へ!
武藤敬司「プロレスの神様が最後に最大の試練を」引退試合を前に逆境も「今を生きたい」胸中激白
武藤敬司「プロレスの神様が最後に最大の試練を」引退試合を前に逆境も「今を生きたい」胸中激白
この記事の写真をみる(2枚)