総務省が発表した2022年の世帯当たりの「年間のラーメン外食費」で山形市が新潟市から首位を奪還した。
官民挙げてプロモーションにも力を入れた成果とあって、市役所に日本一を祝う横断幕を掲げたりと盛り上がりをみせた。
そんな山形の日本一はラーメンだけではない。
趣がかなり異なるが、山形は「現存する即身仏の数」でも日本一。日本には18体の即身仏がいるというがそのうち8体が山形に現存する。
ここでは、「なぜ山形が日本一を獲得できたのか」という理由と「そもそも即身仏とは何か」に迫っていこう。
鶴岡駅から車で45分、大日坊 瀧水寺。807年、弘法大師が開創した寺は江戸時代には徳川三代将軍・家光の乳母 春日局が熱心に祈願をし、その後も歴代将軍が通ったとされている。
この寺に、即身仏 真如海上人がいる。
即身仏はミイラとは全くの別物だ。ミイラは亡くなってから腐らないように処置された遺体であるのに対して、即身仏は貧困や病に苦しむ人を救うために永遠に祈り続けられるよう断食修行などを行い生きたまま仏になった僧侶である。
まず、真如海上人は1000日こもって五穀(米、大麦、小麦、あずき、大豆)断ちを行うことで体から余分な脂肪や水分を削ぎ落とし、腐敗を防ぐために自ら漆の樹液を飲んだ。
そして、山に深さ3メートル、4畳半ほどの穴蔵を掘り、45日間塩水だけで生活。無言でひたすら合掌し続け、1000日後に掘り起こされ祀られたと伝えられている。
「鈴の音が返って来なくなれば『仏になられた』ということ。(この姿は)やり遂げることは非常に困難だということを物語っているのです」(大日坊 瀧水寺 遠藤侑覚住職)
続いて訪れたのが1673年に開かれた不動山 本明寺。
ここには本明海宗和上人がいる。彼はこの地を治めていた鶴岡藩主 酒井忠勝の家臣であったが出家し即身仏となった。
「きっかけはお殿様の病気平癒の祈願のため、湯殿山にお参りに行くようにと命令を受けたことでした。その後、感じるものがあったのかお城に戻らず毎日祈願を続け、お殿様の病気が平癒した後も『自分はこのまま行者の道に進みます』と武士を辞めてしまいました。後に、『生きてらっしゃったときの人々だけでなく、後の世の人々を救いたい』と即身仏になられた」(本明寺 大坂信快住職)
このような僧侶の物語・想いに加えて、山形は雪が多く地中が天然のクーラー代わりとなり、乾燥に適していたことも即身仏が多く残っている理由の一つと推察できるということだ。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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