シニア起業家「実は一番したいのは孫の世話(笑)」 62歳で会社を立ち上げ、起業の適齢期は「2回ある」
62歳で起業した理由
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「自分でスタートアップを立ち上げれば、ある程度は自己責任になるが、自分の思うことが出来るので“人生最後の仕事”として頑張ってみようかな」

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 こう話すのは南重信さん(68)。62歳という年齢で会社を立ち上げた“シニア起業家”だ。南さんが代表を務める、株式会社ミルウスは、北海道を拠点に健康状態など個人のパーソナルデータを集め、自治体や医療のために提供するサービスを展開している。

「睡眠や歩数、最近は感情や正確な血圧をスマートウォッチで見たりする最先端センサーの研究・開発及び企業様の支援。さらに、日頃の生活、健康状態や行動がネットにあがって独り歩きする場合もあるので、それを防ぐためのプライバシー保護の技術も合わせてやっている」(南さん、以下同)

 南さんは約30年前に、大手電機メーカーに就職。ヘルスケア機器の企画・開発などに携わってきた。そして、定年退職後、北海道大学での研究などを経て2016年にミルウスを起業。きっかけとなったのは勤めていた会社で取り組んでいたヘルスケア事業の中止があったという。

「非常に残念だなと。会社自体はなくなってもそういう技術は重要で、これから生きるのに必要だと思い、自分ができる範囲でスタートアップを立ち上げて頑張ろうかなと」

 齢62にして、会社を立ち上げた南さん。しかし「失うものは何もない」という言葉があるように、起業と聞くとリスクを恐れない若者がするイメージがある。こうした中、南さんは「起業の適齢期は2回ある」と話した。

「一つは怖いもの知らずの若い時。もう一つは我々のように定年退職して、ある程度子育ても終わって、やるべきことの一つをやった人たちはある種リスクも少ない。場合によっては年金をもらえるかもしれないわけで、チャレンジャブルなことがやれるとこ」

シニア起業家「実は一番したいのは孫の世話(笑)」 62歳で会社を立ち上げ、起業の適齢期は「2回ある」
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 実はいま、南さんのような“シニア起業家”が増えている。

 中小企業庁が発表している「2017年版中小企業白書」。起業家の年齢別の割合を見てみると、緩やかであるものの、60歳以上の起業家の割合が増えている。

 自身が培ってきた経験・技術や人脈などを活用できるのもシニア起業の強みの一つ。南さんの会社にも、メーカー時代の同僚が在籍しているそうだ。最近では、北海道で賞を受賞するなど評判も上々だという。

「新しい世界を変えるビジネスコンテストみたいなのが北海道であった。北海道知事賞をいただいて、アプローチとして間違っていないのかなという気がした」

 まさに「生涯現役」を体現している南さん。今後は、技術や事業を次世代に受け継いでいくことも視野に会社を運営していきたいと話す。

「何が一番したいかというと、実は孫の世話をやりたい(笑)。だけど、我々シニアは日本の発展と凋落を見てきているので、その経験を活かして、これからの生涯現役の時代、若い人だけじゃなくシニア世代も新しいスタートアップにチャレンジしてどんどん日本が活性化すればいいな」

(『ABEMAヒルズ』より)

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