アゴ先に軽く触るようなジャブで大の字ダウンKO。あまりに一瞬かつ、打撃の印象とダウンの衝撃とのギャップが大きいKO決着を受け、敗者が「えっ!?」と驚きの表情を浮かべ、実況も「これは何で倒したのでしょうか?」と困惑。“脱力系”フィニッシュブローに視聴者からは「これでKO?」「今ので倒れる?」と驚きの声が相次いだ。
2月23日に後楽園ホールで開催された「RISE166」。加藤有吾(RIKIX)と京谷祐希(TEAM TEPPEN)の対戦は2ラウンド、驚きのKO決着。加藤がアッパーやボディなどでコツコツとダメージを蓄積させ、最後はアゴ先に触るようなジャブで京谷を打ち砕いた。
キャリア初期の“武尊をKOした男”として知られる京谷。TEAM TEPPENに移籍したベテランの34歳は、キャリア終盤に勝負をかけている。対する加藤は23歳、RISE2戦2勝の注目株だ。目を引くのが、緑と黒のまだら模様の“自称デニス・ロッドマン・オマージュ”のヘアスタイル。余りにも奇抜なヘアに視聴者からは「スイカみたい」「ウチの近所の池みたいだ」とイジりコメントが並ぶ。
試合は1ラウンド、どっしりと構え、重いコンビネーションを繰り出す京谷に対して、足を使いリーチを生かす加藤の攻防。1ラウンド序盤、京谷が強いボディやカーフキックで攻めると、加藤も連打からボディなど爆発力をうかがわせる。
2ラウンド、一気に距離を縮める加藤。京谷も近い距離で左を連打し、さらにボディストレートを当てるが、加藤がお構いなしに前に出てカーフ、左フック、右ストレートと当て京谷を追い込んでいく。
京谷も足を止めて打ち合うが、加藤の前へ前へと出るプレッシャーに次第に後退。時折見せるボディを嫌うシーンが目立つようになると、2ラウンド残り20秒、加藤の右アッパーに抱きつくように腰を落とし最初のダウン。さらに続いた打ち合いで加藤のアゴ先を軽く触るようなジャブで大の字になったまま身体が動かずノックアウトとなった。
実況も「これは何で倒したのでしょうか?」と口にするような驚きの幕切れ。解説も「ジャブですね。ストレートジャブのような感じでしたけど…拳が思い切り当たりましたね」と応じた。視聴者からも「これでKO?」「今ので倒れるの?」「軽いジャブに見えた」「アゴにしっかり当たれば威力は無くても倒れるんだな」と同様の声が上がっていた。
一方、勝利した加藤のたたずまいは独特。衝撃のKO勝利の後のマイクでは「参戦して、3連勝して強い相手に勝ってきているので、そろそろチャンピオンとやらせてください」とかなり遠慮気味の小さな声。控えめな要求に視聴者も「見た目とテンションの差が面白い」「意外と普通の人だな」と奇抜なヘアスタイルとは程遠い素朴すぎるキャラクターに注目が集まっていた。