東京都によると、2022年に報告された「梅毒」の感染報告数は3677件で、1999年の調査開始以来最多を記録。中でも女性の感染報告はこの10年で40倍にのぼり、その多くは20代が占めているという。
そんな中、2月末にある商品が発売される。その名も「COMAMORI」(税抜800円)。開発したのは、東北芸術工科大学4年の早坂緋奈乃さん。一見かわいらしいお守りのようだが、中に入っているのはコンドームだ。
「性行為は昔よりカジュアル化している中で、日本の避妊方法は4分の3ぐらいがコンドームなのに、女性が手にしづらい」(早坂さん)
コンドームは女性を守るものにもかかわらず、“男性が持つもの”とされる違和感。街中の男性に聞いてみると、「軽い女の子だったら心配」「準備いいな、みたいなイメージがついちゃう」といった声が聞かれる。また、女性からも「見られたら恥ずかしい」という意見が。
「避妊の選択を女性がしづらいのは少しおかしいなと。そのギャップを埋められる商品開発をしたいと思っていた。表立ってバッグに垂れ下げてほしいというわけではなく、あくまでも“コンドームケース”としてポーチの中に入れておいて、万が一男性が持っていない状況の時に助けてくれることをイメージした」(早坂さん)
女性が気軽に持てる商品は他にも。おしゃれなケースの「sobani」(3月発売予定、税込990円)。これも中身はコンドームで、「そばに置いて女性でも自然に手に取りたくなる」がコンセプトだ。
開発したのは、大阪出身の建築デザイナー・akaneさんと、友人のWEBデザイナー・コガモさん。
「どうしてもドラッグストアなどで手に取りづらい。店員さんの目が気になるとか、自分で買いに行く行為自体に抵抗があるという声があった。女性が自分の身を守るためのものとして、コスメのように気軽に買いに行けるような商品ができたらと思っていた」(akaneさん)
「家で保管する時にも、普通のコンドームだったら見えないように隠す方が多いと思う。今回作った商品はベッドサイドにキャンドルやボディケアグッズと並べて置いたり、見えるところに置いておいても違和感のない、部屋に馴染むところもこだわった」(コガモさん)
さらに、オフィス商材や文具専門商社のオカモトヤが出している「災害用レディースキット 3days BOX」(税込7700円)の中にもコンドームが。考案した鈴木美樹子社長は、きっかけは2011年の東日本大震災だったと話す。
「安全性が保たれなくなった時に人は理性をなくしてしまうということは、実際に現場で起きていると聞いた。望まない妊娠になった時に、体と精神的な負担がかかるのは女性なので、被災した時に女性を1人にしないということも皆さんに知っていただきたい。(女性には)月経・妊娠・出産といういろいろな体の変化がある中で、仕事と両立していかなければいけない。発信することによってそういう会話ができるというのを、この商品を通じて皆さんに提供できればと思う」(鈴木社長)
コンドームは男女どちらが持つべきなのか。その論争に元セクシー女優で文筆家の神野藍は「(女性が)持っていていいと思う。どうしてもコンドーム=エロの象徴として扱われがちだが、本来はマスクで風邪を予防するのと同じように身を守るための道具。それを持っているから“遊んでる”と思うほうが間違いではないか」と話す。
さらに、「ちょっと男性が出すのを待ってしまう部分はある」とした上で、「もしなかったら自分が出すというふうにすれば、お互いに安心だと思う」と語った。(『ABEMA的ニュースショー』より)
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