アーセナルに所属する日本代表DF・冨安健洋は、日本時間2月16日に行われたイングリッシュ・プレミアリーグ第12節延期分、マンチェスター・シティ戦で失点に直結するミスを犯してしまった。日本を含むいくつかのメディアからは「とんでもないミスだ」と酷評を受けていた事実がある一方で、実は地元メディアやファンはそれほど深刻には捉えていないようだ。それはミケル・アルテタ監督も同様であり、その後も冨安を起用し続けている。
【映像】「痛恨のミス」後の冨安健洋 アストン・ヴィラ戦で途中出場
■“痛恨のミス”後の冨安への反応は?
冨安がミスを犯した後、アーセナルのキャプテン、ノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴールが彼を励ましに来たことや、スタンドからは「Super Tomiyasu」と日本代表DFを称えるチャントも聞こえていた。
現地ファンは「When the team was in trouble , you helped us. Now it's our turn to help.」(チームがしんどい状況の時、あなたは私たちを助けてくれた。今度は私たちがあなたを助ける番だ)とコメントし、アルテタ監督も「もしチームでリーグ優勝のために誰か1人を選ぶという賭けをしたとしたら、みんなが冨安を選ぶだろう」と擁護した。
そう擁護するのも無理はない。対戦相手のマンチェスター・シティ側からは「冨安ナイスパスをありがとう」など皮肉めいたコメントも寄せられたほか、いくつかの欧州メディアでは「とんでもないミスだ」と酷評と批判の声が相次いでいたからだ。
■冨安の起用は継続、信頼は変わらず
ミスを犯した次のゲーム、プレミアリーグ第24節アストン・ヴィラ戦で、冨安は途中出場でピッチに立った。アーセナルとしては是が非でも勝利がほしいゲームだったが、勝ち越し点が生まれず、2-2のドローで迎えた79分、アーセナル指揮官は冨安を投入した。前試合と同様、右サイドバックで起用され、積極的に攻撃に絡んだ。81分には素晴らしい動き出しでポケット(ピッチを縦に5分割した際に、中央とサイドに挟まれているエリアで、かつ相手ペナルティエリア内のスペース。パス、シュートともに決定的な仕事がしやすいため、重要視される)を取り、クロスを上げ、コーナーキックを獲得。
守備時には冨安のサイドからチャンスを作られることはなく、的確なポジショニングと存在感で相手の攻撃陣を追いやった。冨安は自信を失うことなくいいプレーを見せた。分かりやすい数字という意味での結果を出してはいないものの、チームはその後2点を追加して貴重な勝ち点3を奪い、再びの単独首位に立った。
大事なのは、ミスをした後だと言われる。その点で彼は、悪いイメージを引きずることなく、いつも通りに監督のオーダーに応えてみせた。そもそも、シーズンの行方を大きく左右する首位攻防戦で起用されたことが、紛れもなくアルテタ監督からの信頼の厚さを表している。アストン・ヴィラ戦でも継続して起用されたことを考えても、今後も変わらずにピッチに立ち続けるだろう。イングランド代表DFホワイトとのスタメン争いも依然として継続だ。
チームは次戦、14位レスターと対戦する。アーセナルは未消化を1試合残しているものの2位のマンチェスター・シティとは勝ち点2差であり、負けられない戦いが続く。対するレスターは降格圏と勝ち点4差と、1ポイントでも多く勝ち点を稼いでおきたい。“勝ち点がほしい”両者が激突する重要な一戦、冨安の出場と、彼のパフォーマンスに期待がかかる。
(ABEMA/プレミアリーグ)