2月25日、世界最高峰のオーディション番組『Japan’s Got Talent』の決勝が行われ、ソプラノとテノール両方の声で歌えるオペラ歌手・Maria Seirenが優勝。賞金1000万円と、アメリカ・ラスベガスでのショーの出場権を獲得した。終了後の囲み会見では、Maria Seirenが独自の歌唱法が誕生したきっかけや、世界進出へのビジョンを語った。
【映像】男女の声を使い分けるオペラ歌手・Maria Seirenの歌声
「ずっと優勝できるかどうかものすごくドキドキしていたんですけれども、『名前を聞いた瞬間、本当に感無量とはこのことだな』という風に思ったとともに、『これはゴールではなくて世界に向かうスタートだ!』と思いました」と喜びのコメントをしたMaria Seiren。準決勝でゴールデンブザーを獲得したMaria Seirenは、それによってプレッシャーもあったそうで、「準決勝よりもよりいいパフォーマンスをしなければ皆様に納得いただけないと思い、より歌に気持ちを込めて歌えるように毎日練習しました」と、決勝までの期間を振り返った。
決勝で披露した「Jupiter」は自身でアレンジして歌詞をつけ直したものだそうで、「もともと歌詞がない歌なんですけれども、『囚われた魂を解き放って新しい自分を捜そう、見つけよう』と、そういう歌詞をつけてアレンジした曲ですので、私にとってもとても大事な曲です。なので今回の決勝で歌わせていただきました」と説明。
ソプラノとテノール、男女両方の声で歌うという特殊な歌唱法はどのように生まれたのか。その誕生のきっかけを聞かれると、「一番最初は声変わりの時です。自分の声がどんどん低くなっていくことに耐えられず、どうにか少年の時のような声が取り戻せないかと、ひたすら歌ってみたら突然できるようになりました。どうやってやってるかと言われると答えられないんですけれども、やはりコンプレックスに立ち向かうということで、神様からギフトをもらえたのでしょうか」と答えた。
決勝には真っ白なドレス姿でMaria Seiren。その理由について聞かれると「私が音楽の理念にしているのは、愛と平和とジェンダーフリー。現在、LGBTや同性婚、そういったこともたくさん話題になっておりますが、私は決勝の舞台でウェディングドレスを着させていただきました。私は今日ようやく、この曲と結婚できたという風に思っています」と、そこに込められた意味を告白。
なお、賞金1000万円の使い道は「まず、ウクライナ・トルコへの募金はしたいと思っています。そしてやはり、常々考えていた世界に出るための資金として使わせていただきたく思います」とのこと。
「私は今、日本に『Mond Parallelo歌劇団』という歌劇団を持っていますので、日本にはその劇場を作りたいです。また、この劇団で『花魁』をモチーフにしたオペラも現在作っております。そういったものを世界に持っていけたら。私一人だけではなくて、能であったり日本舞踊であったり、日本に根付いている素晴らしい和の文化を取り入れてた我々の劇団が、その『花魁』をモチーフにしたオペラ、花魁道中といったようなものを世界に見せられたら嬉しいですし、感無量です」と、今後の世界進出へのビジョンについても語っていた。
写真:山口真由子