「今のは?」実況“きょとん”の衝撃KO 左フック相打ち直後の“じわじわ”ダウン 「那須川天心選手とやったとき同じように」解説が“脳揺れ”経験明かす
【映像】強烈カウンターが招いた衝撃KO

 左フックの打ち合いが勝敗を分けた僅差の一戦。バチっとお互いの左フックが炸裂した次の瞬間、しばしの時間差で敗者がフラフラと後退り、ペタンと座り込み、首を横に振って続行不可能の意思表示。「今のは?」状況を飲み込めず、きょとんとなった実況に対して、解説が「那須川(天心)選手とキックルールでやったときに同じようになりました」と衝撃の“脳揺れ”経験を明かした。

【映像】強烈カウンターが招いた衝撃KO

 2月24日にタイ・バンコクで開催された「ONE Friday Fights 6」。イリアス・エナッシ(モロッコ)とアリアスガー・ゴドラティサラスカン(イラン)の試合は2ラウンド、エナッシがクロスカウンターを制してKO。ゴドラティサラスカンをマットに沈めた。

 日本のリングでも活躍、ONEではペッダム・ペッティンディー・アカデミーをKOしてキックのフライ級王者となったエナッシ。タイトルを返上しバンタムに階級を上げ仕切り直しの試合はムエタイ、キック両方で50試合のキャリアを持つゴドラティサラスカンとの対戦となった。

 1ラウンド、アグレッシブなエナッシに対して、大きなパンチで一発狙いの重い打撃を繰り出すゴドラティサラスカン。ともに積極的な立ち上がり。足を止めての打ち合いではゴドラティサラスカンがアッパー、エナッシも体を揺らし独特のリズムからミドルキック、強打の左右のフックと互いに譲らない。

 そんな一進一退の攻防が続く1ラウンド終了間際にアクシデントが発生。掴みにいったエナッシにゴドラティサラスカンが目の覚めるような投げを放つ。

 キックボクシングの試合では当然ながら反則だが、余りにもパーフェクトな背負い投げに視聴者も「いい投げだわ」「柔道なら一本」「綺麗に投げたな」「シュートならポイントなのに」とどよめく。

 一方、試合をさばくレフェリーからはやや厳し目の警告。「聞け、もう絶対やるなよ」とレフェリーのオリヴィエ・コストに怒られ、投げたときはドヤ顔だったゴドラティサラスカンも強面レフェリーの“一喝”にシュンとなってしまう。

 2ラウンド、近い距離での打撃戦。両者フルスイングで相手を倒す気満々で、大きなパンチが空を切る場面が続く。軽快な動きのエナッシはクネクネと奇妙なムーブで「かかってこいよ」と相手を挑発。

 これにイラっと来たゴドラティサラスカンがフックを振り抜くと、エナッシもクロスカウンターの左フック。一瞬の沈黙、タイムラグのあとゴドラティサラスカンが、ズルズルと後退し力がふっと抜け沈黙。レフェリーが「大丈夫か?」と駆け寄るが、ゴドラティサラスカンは三角座りのまま首を振り「もうダメです」と戦意喪失で試合終了となった。

 見た目は軽いパンチだがダメージは甚大。衝撃のカウンター決着に「本当にワンパンだったな」「きれいに脳が揺れた」「意識があっても立てないやつだ」とコメント欄も反応。アゴに貰いジワジワと脳が揺れ力が出なくなる…そんなゴドラティサラスカンの状況についてこの日のABEMAゲスト解説の藤田大和は「僕も那須川(天心)選手とキックルールでやったときに同じようになりました」とRIZINで対戦した那須川戦での“脳揺れ”経験を明かした。

【映像】解説“きょとん”の衝撃KO
【映像】解説“きょとん”の衝撃KO
立ったまま失神の衝撃KO 魂が抜け“人形のように”脱力する敗者 ダウンシーンに戦慄
立ったまま失神の衝撃KO 魂が抜け“人形のように”脱力する敗者 ダウンシーンに戦慄