田端信太郎氏「1流は脱リモートワーク。1.5流は社員の顔色を伺っている」Amazonなど米テック企業に“出社回帰”の動き
【映像】出社回帰の動きが? 田端信太郎と考えるテレワークと生産性
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 新型コロナウイルスをめぐるパンデミックでは、在宅勤務が普及するなど、働き方は大きく変わった。その一方で最近になって、テレワークの廃止や削減を決めた企業が増えてきた。2月17日、アメリカのAmazonは「少なくとも週に3日はオフィスで勤務するべき」と発表。5月から従業員に対して、出社を義務づける方針に切り替えたのだ。

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 テレワークについては、「絶対サボる人がいる」「生産性が上がったように感じない」など、Twitter上では様々な声があがっている。とはいえ、通勤時間が減り、家事と子育てとの両立しやすいなど、メリットも多いはずだ。テレワークとオフィス出社はどっちがいいのか?ハイブリットな運用は可能なのだろうか?ニュース番組「ABEMA Prime」では、議論を行った。

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 アメリカでは、Amazonだけでなく、Disneyは3月から週4日以上、AppleとGoogleは去年から出社を求めるなど、テック企業を中心にオフィス出社への回帰が進んでいる。また、テスラのイーロン・マスク氏は週40時間の出社を求め、従わない場合は解雇する考えを示し、話題になった。

 この動きにコロナ禍でも原則出社を貫く、株式会社ACROVE代表取締役の荒井俊亮氏(26歳)は「企業と従業員の力関係が逆転した」と話す。

「GAFAのようなグローバル企業がリモートワークを推奨していたのは、採用力を担保したかったからだ。より条件がいい会社に人は流れていく。『状況を整えよう』という意味で、リモートワークが進んでいた。しかし、直近ではレイオフが進み、株価も下がった企業もある。企業も採用に力を入れる方向ではないので、力関係が逆転した」

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 荒井氏が従業員全員に出社を求める思いはどこにあるのか。

「一言でいうと、カルチャー醸成だ。僕は従業員数名で創業した。事業や取り巻く環境は常に変化していく。伝わる情報量が少ないと、どんどん事業が遅れてしまう。それを考えると、出社して、情報量を担保して、フィードバックの速度を上げていくほうが効率的だった。結果的に会社も成長した。最初はスタッフだけでなく周りも『古いね』みたいな反応だったが、結果的にいい方向になったので、ある意味ラッキーだ。コロナ禍の創業だったこともあり、従業員も納得して入社している。テレワークをしても、サボる人がいる比率は、変わらないと思う。むしろ元々サボっていた人が『リモートワークだと可視化されやすくなるよね』という話だ」

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 海外の企業だけでなく、日本でもホンダやGMOインターネットグループなどがテレワークの廃止を決めている。

 荒井氏の説明に、元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤氏は「カルチャーを作れる側だったら、楽しいだろうなと思う」とした上で「僕は企業カルチャーの醸成にそんなに関わりたくない」と話す。

「『カルチャーを作ろうぜ、来いよ』と言われたら、負担を感じる。僕は村みたいな組織にいたので、息苦しかった。一人リモートワークみたいな感じで、なるべく会社にいないようにしていた。それによって、社外の人たちに出会えた。優秀でバリバリ仕事ができる人は、どんな環境でも自分のやりたいことが実現できると思うし、そうじゃない人たちでもカルチャー作りに動員させないでほしい。そんなに会社に縛らないで、と思う」

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 オンラインサロン田端大学塾長の田端信太郎氏は「アメリカ企業は企業と社員、雇う側と雇われる側の力関係を常にガチンコでやっている」と話す。

「出社に舵をきった会社は、誰もが働きたいと思えるし、給料もいい会社だ。例えば、ゴールドマン・サックスは週5日出社を原則にしている。要するに『うちで働きたければ出社しろ』といえるのが、ナンバーワン企業の姿勢だ。1.5流ぐらいの情けない会社は『強制出社にしちゃうと辞めちゃうかも』と社員の顔色をみている。超一流は脱リモートワークに動いていると思う」

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 その上で田端氏はオフィス出社とリモートを組み合わせた形を提案する。「大半の凡人にとっては、顔を合わせた上でやった方が、成果が出る。会社も儲かって、給料も上げやすい。ただ、みんな朝9時に来る必要は全くないと思う。フレックス勤務の話は、何十年も前からある。『1日に2〜3時間でもいいから来てね』で、十分ではないだろうか」

 番組司会のテレビ朝日平石直之アナウンサーは「私が提案したいのは『週5日出勤は多くないか?』だ。週4でもいいのではないか。5日行っているから、行くことが当たり前になっている。もっと自由でいいと思う」とコメント。

 荒井氏は「経営側としてその議論は難しい」と答える。

「無駄なことが可視化されて、省ける意味ではいい。一方で、週4日から週3日になって『辞めます』という人はいないが、週3日から週4日に戻すと『じゃあ辞めます』と言われる。これは不可逆だ。強い会社なら『じゃあ辞めて』と言えるが、そこの議論がやっぱり難しい」

(「ABEMA Prime」より)
 

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