フライブルクの日本代表FW堂安律は、2月に行われたリーグ戦全4試合に先発出場するなど安定していた。2月26日のレバークーゼン戦では体調不良のため早い時間での交代となったが、それ以外の3試合は長時間ピッチに立っている。得点、アシストはゼロだが、献身的な守備や鋭いドリブルでの仕掛けといった持ち味を発揮し、チームに貢献してみせた。
【映像】堂安律 緊急事態? 今季全試合出場も途中交代
2月4日:ドルトムント戦はライバルに大敗も個人では躍動
2月4日に行われたブンデスリーガ第19節でフライブルクはドルトムントと対戦した。
フライブルクにとってドルトムント(2月27日時点で2位)はUEFAチャンピオンズリーグ出場争いにおける直接のライバルであり、絶対に勝利をつかみたい一戦だった。
フライブルクが5-3-2のフォーメーションを採用したため、堂安は2トップの一角として先発し、67分まで出場した。押し込まれる展開が続くなか、前線でボールを引き出そうと奔走。守備では何度もプレスバックを見せるなど、攻守にチームを助ける働きを見せた。
堂安は奮闘したものの、早い段階でフライブルクに退場者が出てしまったこともあり、最終的には1-5の大敗を喫してしまった。チームとしては強豪クラブとの力の差を見せつけられる結果になったが、堂安個人としては評価に値するパフォーマンスを示していた。
2月11日:シュトゥットガルト戦は日本人4人がピッチに
ブンデスリーガ第20節はシュトゥットガルトと対戦した。
堂安は右サイドハーフで先発し、89分まで出場した。シュトゥットガルトは遠藤航、原口元気、伊藤洋輝が先発出場しているため、日本人対決としても注目されていた。
試合開始から堂安は何度もドリブルで相手の守備陣を突破し、相手の脅威に。49分には自身の放ったシュートがディフレクトしてゴールネットを揺らしたが、その前のプレーがオフサイドとなり、得点は認められなかった。それでも79分、ペナルティエリア内でボールを持つと、相手からタックルを受けたプレーがPKと判定され、決勝点につながったのだ。
最終的にフライブルクは2-1で勝利。堂安自身にゴールやアイストは生まれなかったものの、決勝点につながるPKを獲得して勝利の立役者となった。
2月18日:ボーフム戦は浅野拓磨とアタッカー対決
ブンデスリーガ第21節はボーフムと対戦した。
この試合も堂安は右サイドハーフで先発し、77分までプレーした。ボーフムは日本代表FW浅野拓磨が先発しており、FIFAワールドカップ カタール 2022で日本代表に勝利をもたらしたアタッカー同士の対決としても注目されていた。
試合序盤こそ堂安の存在感は薄かったものの、徐々にボールを触る回数を増やして持ち味を発揮していく。67分には際どいカットインシュートを放つなど、アタッキングサードで相手の脅威となっていた。
試合は終始フライブルクが圧倒。さらに63分にボーフムの選手が退場したことで、フライブルクは2-0できっちり勝ち点3を獲得した。堂安は得点やアシストこそなかったが、アタッキングサードで存在感を放ち、チームの攻撃をけん引するパフォーマンスを見せた。
2月26日:レヴァークーゼン戦は堂安に緊急事態……
ブンデスリーガ第22節はレヴァークーゼンと対戦した。
これまでと同様、堂安は右サイドハーフで先発出場したが、序盤に緊急事態が発生してしまう。21分にピッチ上で異変を訴え、ベンチに交代を直訴した。結局、25分にハンガリー代表FWロランド・サライと交代し、早々にピッチを後にしてしまったのだ。
クリスティアン・シュトライヒ監督は試合後、「堂安の交代は体調不良によるもので、この交代が試合を難しくした」という趣旨の発言をしている。実際、フライブルクはレヴァークーゼンと1-1で引き分け、勝ち点1を手にするにとどまった。
堂安にとっては望むような状況ではなかったはずだが、試合に出場すれば安定したパフォーマンスで貢献できる実力はすでに証明されている。リーグ戦では17試合もゴールから遠ざかっているだけに、ここから堂安に期待されるのは得点やアシストといった目に見える結果だ。コンディションを回復させ、3月は決定的なプレーの連発に期待したい。
(ABEMA/ブンデスリーガ)