2月はボルシアメンヘングラートバッハ(以下ボルシアMG)にとって苦しい1カ月となってしまった。ブンデスリーガの4試合で1勝2敗1分と勝ち点を伸ばせず、敗北した試合はいずれも4失点を喫する大敗だった。とは言え、日本代表DF板倉滉は4試合全てにフル出場し、安定したパフォーマンスでチームの守備をけん引していた。
ブンデスリーガ第23節は日本人対決!対人守備に優れた板倉、堂安のシュートを阻止するか
2月5日:シャルケ戦で注目の日本人CB対決
2月5日に行われたブンデスリーガ第19節でボルシアMGはシャルケと対戦した。
シャルケは昨季まで板倉が在籍していたチームであり、今季2度目の古巣対決として話題になっていた。シャルケには吉田麻也と上月壮一郎という2人の日本人が在籍しており、両者共に先発出場。特に吉田は、板倉と日本代表でコンビを組んで戦った相棒であり、日本人CB同士の対決としても注目が集まった一戦だった。
CBの一角として先発した板倉は90分を通して安定したパフォーマンスを披露した。空中戦、地上戦の両方で高い勝率を誇り、27分にはドリブルでの持ち上がりから強烈なミドルシュートを放ってゴールを脅かすなど、攻撃面でも際立つシーンを演出した。
最終的に試合は0-0で終了し、ボルシアMGは勝ち点1を手に入れた。板倉を中心とした守備陣が高いクオリティを発揮していたため、得点が取れずに引き分けとなってしまったのは少々もったいない印象を受けてしまう試合だった。
2月12日:ヘルタ・ベルリン戦は守備崩壊のなかで孤軍奮闘
ブンデスリーガ第20節ではヘルタと対戦した。
ウィンターブレイク明け以降4連敗という最悪のチーム状況のヘルタが相手であり、ボルシアMGからすると絶対に勝ち点3を取りたい試合だった。しかし試合は予想外の展開となってしまう。ヘルタに攻め立てられて守備陣が崩壊し、4失点を喫してしまったのだ。
それでも、フル出場した板倉のパフォーマンスは比較的悪くなかったと言える。対人で明確に負ける場面はなく、ゴールライン際のクリアで失点の危機を救うプレーもあった。失点シーンも板倉が関与できないものが多く“やれることはやった”という印象だった。
4連敗中の相手に、ボルシアMGは1-4と惨敗という、ショッキングな試合となった。
2月18日:バイエルン・ミュンヘン戦、絶対王者を撃破
ブンデスリーガ第21節では絶対王者、バイエルンと対戦した。
ボルシアMGはバイエルンと相性が良く、この試合でも勝利を予想する声が少なくなかった。その期待に応えるようにボルシアMGは素晴らしいパフォーマンスを披露した。
板倉もCBとしてフル出場。要所で的確なタックルやカバーリングを見せ、バイエルンの強力なアタッカーをシャットアウトした。攻撃面でも、鋭い縦パスを何度も繰り出し、90%を超える高いパス成功率を記録するなどチームに大きく貢献した。8分にバイエルンの選手が退場する有利な試合展開だったが、それを考慮しても高いパフォーマンスを発揮したのではないか。実際にドイツの「ビルト」でもチーム2位タイの高評価を受けた。
ボルシアMGは最終的に3-2のスコアで勝利した。これが2月に入ってから初の勝利であり、同時に板倉の存在の大きさを改めて感じさせる試合となった。
2月25日:マインツ戦は、板倉を含め2度目の守備崩壊
ブンデスリーガ第21節は、ボルシアMGと同じく中位を彷徨うマインツと対戦した。
バイエルンを撃破した前節の勢いそのままに勝利を手にすると期待されたが、結果は予想外の方向に。2月に入って2度目の4失点を喫し、0-4のスコアで完敗してしまったのだ。
板倉はこの試合もCBとしてフル出場したものの、空中戦、地上戦の両方で精彩を欠き、低調なパフォーマンスで4失点の要因の一つになってしまった。もちろんチームとしての不調に引っ張られた部分もあり、板倉の責任が際立って大きいわけではないのは補足したい。
2月の板倉は比較的安定したパフォーマンスを披露したが、それがチームの勝利に結びつかない場面も多かった。3月以降も現在のパフォーマンスを継続しつつ、チームが勝利できるようになれば理想的だろう。これからも板倉の活躍に期待だ。
(ABEMA/ブンデスリーガ)