将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が3月2日、順位戦A級・最終9回戦で稲葉陽八段(34)との対局を午前9時から開始した。これまでに6勝2敗の藤井竜王は、本局に勝てばプレーオフ以上が決定。藤井竜王が初めて経験する「将棋界の一番長い日」では、どんなドラマが待ち受けているか。
藤井王将は、2016年10月に四段昇段。第35期竜王(1組以上:2期)、順位戦A級(A級:1期)。タイトル獲得は通算11期、現在最多の五冠保持者で、2月23日に行われた第16回朝日杯決勝を制して棋戦優勝数を8に伸ばした。現在、王将戦七番勝負と棋王戦五番勝負、2つのタイトル戦を戦っている。順位戦A級は今期が初参戦ながらこれまでに6勝2敗の成績を挙げ、同じ勝ち星の広瀬章人八段(36)と首位に並んでいる。現在、名人位獲得の最年少記録は谷川浩司十七世名人(60)が保持する21歳2カ月。挑戦権獲得から奪取へ、7月が誕生日の藤井竜王にとっては、今期が記録更新の最後のチャンスとなっている。
稲葉八段は2008年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組:7期)、順位戦A級(A級:6期)。タイトル経験はないが、第75期(2017年)名人戦挑戦経験を持つ。棋戦優勝は2回。前期、藤井竜王とともにB級1組から昇級し、1期でのA級復帰となった。今期はこれまでに4勝4敗の成績で、残留を決めている。
両者の対戦は過去に7局あり、藤井竜王の5勝2敗。前期、順位戦B級1組での対戦時は稲葉八段が勝利している。本局の先手番は藤井竜王。先手番で今年度9割を超える勝率で27連勝中と驚異的な数字を記録している藤井竜王に対し、稲葉八段はどのような作戦を用意しているか、大きな注目が集まっている。
今期の挑戦権争いは最終一斉対局までもつれており、トップの藤井竜王、広瀬八段に加えて、5勝3敗グループの斎藤慎太郎八段(29)、豊島将之九段(32)、永瀬拓矢王座(30)、菅井竜也八段(30)が争奪戦を繰り広げる。同星の場合、最大5人によるプレーオフの可能性も。3人以上の場合はパラマス方式(保持する前期順位の下位からの勝ち抜き)が採用される。
持ち時間は各6時間。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)