西山朋佳女王・女流王将「団体戦は勝った時の喜びが倍」ドラフト指名は「重複の可能性はかなり高い」/将棋・女流ABEMAトーナメント
【映像】ドラフト構想を語る西山朋佳女王・女流王将

 女流棋界を引っ張る西山朋佳女王・女流王将(27)が、個人戦では得難い喜びを、2度目の団体戦で求めに行く。女流棋士3人1組で戦う超早指し戦「女流ABEMAトーナメント2023」のドラフト会議の模様が3月4日に放送される。西山女王・女流王将はリーダーとして決勝に進んだが、惜しくも準優勝。あと一歩のところで頂点には届かなかったが、上田初美女流四段(34)、山口恵梨子女流二段(31)との団体戦は、実に刺激的だった。「団体戦は勝った喜びが倍と言われているのがすごくわかりました」と、3人での戦いを満喫したという。2度目の団体戦は6チームから4チームになったことで、ドラフト会議が白熱することが予想されている。「重複の可能性はかなり高いと思います」と、くじ引き覚悟で意中の人を選んで、今度こそ優勝を目指す。

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 チーム西山は姉御肌の上田女流四段に、面倒見のいい山口女流二段という年上2人に支えられた西山女王・女流王将が個人11勝1敗という強さで、決勝まで勝ち上がった。「自分の勝利を自分以上に喜んでくれる人が身近にいるのは新鮮な体験でした」と、孤高の戦いを続けてきた者からすれば、感じたことのないものだった。ただ大会後の行動が、なんとも西山女王・女流王将らしい。「ずるずるとチーム仲良く、というのは違うかなと思ったので、LINEのグループトークも解散しました。遊びに行くなどはないですが、上田さんは私を見かけるとうれしそうにしてくださると、山口さんもずっと思ってくださっているのは伝わっているので、いい関係が続いていると思います」。必要以上に馴れ合わず、将棋の道を競いながら進む同志でありたい、そんな思いからのことだ。

 この言葉からもわかるように、2年連続で同じメンバーで戦うというのは考えにくい。コンセプトについては「最初のプラン通りに行けば、わかっていただけるんじゃないかと」と、詳細は明かさず微笑んだ。なお前回大会は、自分が勝ったことがない相手という理由。今年はどうか。

 前回は監督だった藤井猛九段(52)の自宅に集まり、フィッシャールールの練習将棋を指し、食事をしながら作戦会議までした。チームで戦う楽しさを、今度は違うメンバーともしてみたい。「始まると結構あっという間に終わると思うので、一局一局を大事にしたいです。将棋のおもしろさを発信したいです」と、トップ女流棋士として恥ずかしくない将棋を指す。盤上での強さと盤外で見せる素顔のギャップが、昨年以上にファンを虜にする。

◆女流ABEMAトーナメント 第1回大会は個人戦、第2回大会から団体戦になった。第3回の「2023」は4人のリーダーがドラフトで2人ずつ指名、3人1組のチームを結成し、トーナメントで優勝を争う。持ち時間は5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は5本先取の9本勝負で行われ、第5局までに必ず全員が1局以上指さなくてはならない。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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