里見香奈女流五冠「大変貴重な経験ができた」団体戦 2度目のプランは「自分の信念を貫きます」/将棋・女流ABEMAトーナメント
【映像】ドラフトのイメージを語る里見香奈女流五冠

 最強女優棋士が超多忙な中、さらなる刺激と経験を求めて、また団体戦で盤に向かう。女流棋士3人1組で戦う超早指し戦「女流ABEMAトーナメント2023」のドラフト会議の模様が3月4日に放送される。8タイトルのうち5つを保持する里見香奈女流五冠(30)は昨年、尊敬する大先輩・清水市代女流七段(54)、妹の川又咲紀女流初段(26)とチームを結成、ベスト4入りを果たした。準決勝の最終局、西山朋佳女王・女流王将(27)との個人全勝対決は、タイトル戦にも匹敵するほどの盛り上がりにもなった。「初めての女流の団体戦ということで、すごく新鮮な気持ちで挑むことができましたし、大変貴重な経験でした」と、目尻を下げた。女流棋界の第一人者として、里見女流五冠にしかできない挑戦をいくつもしている中、純粋に将棋を楽しむことに没頭できるこの大会を、とても楽しみにしているようだ。

【映像】ドラフトのイメージを語る里見香奈女流五冠

 大先輩に、何でも話せる妹。ファンにとっても理想的なチームではあったが、何よりも里見女流五冠が楽しんでいる様子が、映像でもよく確認できる前回大会だった。「(控室で)妹と2人の時は清水さんが対局されていたので、その対局に夢中で、あとは栄養補給しかしていませんでした(笑)」と、里見家の日常そのままといったアットホームな雰囲気が、ファンにも好評だった。3人力を合わせての対局はもちろんのこと、チーム動画ではドッキリ企画にお化け屋敷、コスプレなど、自分から考えてはやらないようなことばかり。「普段ないシチュエーションでロケを経験させていただいて、すごく楽しかったです」と、また微笑んだ。

 女流棋戦では毎回のようにタイトル戦に出場し、(男性)棋戦にも参加。好成績を収めたことで、棋士編入試験にも挑戦するなど、次々に新たな世界を切り開いている。そんな里見女流五冠のドラフト構想は「プランAはあるんですけど、それが崩れた時にどうしようか考え中です。競合?自分の信念を貫くと思います」と、指名重複が予想される人であっても、堂々と名前を書くという。

 「あまり早指しは得意ではない」と言いつつも、昨年は準決勝の最後で敗れるまで8連勝と、やはり抜けた存在であることに変わりはない。「目の前の対局に全力を尽くして、少しでも引っ張っていければいいと思います」と、将棋の内容と結果で、仲間を支えるタイプのリーダーになる。次こそは優勝。そのためにしなやかな指で力強く、歩を1つ前に進める。

◆女流ABEMAトーナメント 第1回大会は個人戦、第2回大会から団体戦になった。第3回の「2023」は4人のリーダーがドラフトで2人ずつ指名、3人1組のチームを結成し、トーナメントで優勝を争う。持ち時間は5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は5本先取の9本勝負で行われ、第5局までに必ず全員が1局以上指さなくてはならない。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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