身近にある「土」に温暖化抑止の救世主が? “地球冷却微生物”を探す市民参加型プロジェクト 研究者「世界中の農家が撒く未来に期待」
“地球冷却微生物”を探す市民参加型プロジェクトの概要
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 身近にある土が地球温暖化を防ぐカギを握っているかもしれない――。そんな市民参加型のプロジェクトが、東北大学の研究者を中心としたグループによって進められている。

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「『地球冷却微生物を探せ』プロジェクトを一言でいうと、一般市民の方と協力して地球温暖化を止めることができる微生物を探すというもの」(東北大学大学院・生命科学研究科の大久保智司特任助教、以下同)

 二酸化炭素、メタンに次ぐ第3の温室効果ガスとされているのがN2O(一酸化二窒素)で、農業などの食料生産に伴い人為的にも発生している。

 このプロジェクトでは、N2Oを減らす微生物の存在を突き止め、地球温暖化の抑止に貢献することを目指している。

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「N2Oは主に土の中で発生するが、無害の窒素ガスに変換してくれる微生物がそもそも存在していた。土の中の窒素化合物の循環に昔から関わっている生き物で、その微生物の特性を利用することでN2Oを減らすことができるのではないかと考えている」

 微生物を見つけるために必要となるのが、大量の土のサンプル。そのため研究グループは全国からボランティアの協力を募り、各地の土を採取してもらい、分析を進めている。

 土の中にN2Oを消去する微生物がいるかどうかを確かめるために、採取した土を入れた瓶の中の空気を調べる必要がある。通常、土にはN2Oを発生させる微生物がいるため、瓶を密閉すると時間とともに空気中のN2O濃度は上がる。もし逆に濃度が下がった場合、N2Oを吸収する微生物がその土の中に存在する可能性があるという。

 現在約1300のサンプルが集まり、すでに可能性のある土もいくつか出てきているそうだ。市民参加型のプロジェクトによって、畑・庭・山など全国各地さまざまな場所の土が集まったことで、思わぬ場所から地球温暖化防止の救世主が出てくるかもしれない。

「微生物を土の中から取り出し、培養して数を増やしていく。増やすことができたら、微生物資材という形で農地・畑や田んぼに撒いていく商品化を目指している。日本中あるいは世界中の農家の人が撒くことでN2Oを減らし、地球温暖化をストップさせる未来を期待している」

(『ABEMAヒルズ』より)

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