チャンピオンズリーグ(CL)・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)セカンドレグが7日に行われ、チェルシー(イングランド)とドルトムント(ドイツ)が対戦した。
ホームチームのチェルシーは現在絶不調。直近の公式戦10試合の成績は2勝3分5敗となっている。それでも、4日に行われたプレミアリーグ第26節のリーズ戦は1-0で勝利。昨年10月以来の公式戦連勝を、そして3シーズン連続の準々決勝進出を掲げてドルトムントを迎え撃つ。対照的に、ドルトムントは2023年に入ってからの公式戦10戦全勝と絶好調だ。2月15日にホームで行われたファーストレグでも1-0と勝利しており、アドバンテージを得てセカンドレグを迎えた。
チェルシーはファーストレグからスターティングメンバーを4名変更。ラヒーム・スターリングやマテオ・コヴァチッチが先発に復帰しただけでなく、リース・ジェームズやジョアン・フェリックスなどの主力もスタメン入りを果たした。一方、ドルトムントは2名を入れ替え。“守護神”のGKグレゴール・コベルが直近のブンデスリーガ第23節ライプツィヒ戦のアップ中に負傷。この試合にも間に合わず、GKアレクサンダー・マイヤーがゴールマウスを守る。また、ファーストレグで決勝ゴールを決めたカリム・アデイェミも負傷離脱中のため、マルコ・ロイスが先発に復帰した。
試合は立ち上がりから数分でドルトムントにアクシデント発生。ユリアン・ブラントが左太ももを痛めてしまい、5分でジョバンニ・レイナとの交代を強いられた。
その後はチェルシーが良い守備から良い攻撃への形を見せる。6分、高い位置でマルク・ククレジャがボールを奪うと、スターリングのパスを受けたJ・フェリックスがペナルティエリア左に侵入。フィニッシュまで持ち込んだが、ここはGKマイヤーに阻まれた。対するドルトムントはセットプレーでチャンスを作る。17分にペナルティエリア手前で得たフリーキックをロイスが直接狙ったが、ここはGKケパ・アリサバラガが横っ飛びセーブで難を逃れた。
28分にはクロスボールのこぼれ球を狙っていたカイ・ハフェルツが左足を振り抜くも、シュートは右ポストに嫌われる。チャンスを作りながらもなかなか均衡を破れないチェルシーだったが、43分に試合を動かすことに成功。敵陣左サイドでボールを拾ったベン・チルウェルが深い位置に侵入してマイナスへ折り返すと、フリーのスターリングにボールが渡る。ダイレクトで狙ったシュートはヒットしなかったものの、直後のプレーで寄せてきた相手をかわし、強引に右足で叩き込んだ。チェルシーが1点をリードしてハーフタイムに突入している。
後半の立ち上がりにもチェルシーにビッグチャンスが到来。ハフェルツからのパスを受けたスターリングが左へ展開すると、ボールを受けたチルウェルがクロスボールを送る。これがドルトムントのマリウス・ヴォルフのハンドを誘発し、チェルシーにPKが与えられた。キッカーを務めたハフェルツのシュートは右ポストに嫌われたものの、蹴った瞬間に選手がボックス内に入っていたことから、PKがやり直しに。2度目のPKは右下に沈め、チェルシーが2戦合計スコアで逆転に成功した。
その後はやや膠着した試合展開に。反撃に出たいドルトムントだったがなかなかチェルシー守備陣を崩し切ることができず、試合はこのままタイムアップを迎えた。チェルシーは2023年に入ってからの公式戦で初の複数得点を記録。逆転で3シーズン連続のCL準々決勝進出を決めた。一方、ドルトムントは2023年の公式戦11試合目にして初黒星。最後まで1点が遠く、2シーズンぶりの準々決勝進出とはならなかった。
この後、17日には準々決勝の組み合わせ抽選会が予定されている。準々決勝ファーストレグは4月11日または12日、セカンドレグは18日または19日の開催予定だ。
【スコア】
チェルシー 2-0(2戦合計:2-1) ドルトムント
【得点者】
1-0 43分 ラヒーム・スターリング(チェルシー)
2-0 53分 カイ・ハフェルツ(PK/チェルシー)