藤井聡太竜王「6歳の自分に教えてあげたい」念願の名人戦舞台へ 挑戦権獲得の喜びを語る/将棋・順位戦A級プレーオフ
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 将棋藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が3月8日、順位戦A級プレーオフで広瀬章人八段(36)に125手で勝利し、渡辺明名人(棋王、38)への挑戦権を獲得した。終局後に行われた記者会見では名人初挑戦への喜びを語るとともに、幼少期の思い出にも触れ「名人戦の舞台に立つことができることを、(6歳)当時の自分に教えてあげたい」と笑顔で語る場面もあった。会見の内容は以下の通り。

【映像】藤井竜王が初の名人挑戦を手繰り寄せた一手

――感想戦を終えて、改めて発見は

 やはり非常に難しい将棋で、改めて振り返ってもわからないところが多かった。途中、角を出られてそこで手が止まってしまったので、もっと読みの精度を上げていかないといけないかなと思いました。

――名人挑戦への抱負、実感は

 大きな舞台になるので、その舞台にふさわしい良い内容の将棋が指せるように頑張りたいと思います。

――七冠の可能性。何が必要か。

 棋王戦と王将戦と2つのタイトル戦を戦っていて、現時点で七冠という数字を意識することは全くないですが、いろいろ反省点や課題もあったと感じているので、反省を名人戦に活かしていけるように頑張りたいと思います。

――挑戦権獲得までの道のりを振り返って

 今期のA級を振り返ると、全体を通して厳しい戦いだったと思います。負けた将棋はチャンスを作れなかったですし、勝った対局も最後まで難しい将棋ばかりだった。10局指して挑戦という一番良い結果を出すことができて、充実感もあったのかなと思う。

――子どもの頃から意識していたタイトル

 名人というのは江戸時代から続く歴史のある称号。名人戦に出るということはその重みを感じるところはあります。自分にとっても大きな舞台になるかなと思うので、それにふさわしい将棋を指したいという気持ちが強いです。

――順位戦6期を振り返って

 自分自身成長できた部分が大きかったと感じています。四段になった頃は長い持ち時間で対局することは順位戦以外では少なかったですし、その中で少しずつ力を付けることができて名人に挑戦するところまでこれたのは良かったと思っています。

――名人の二文字

 将棋を始めた頃からその言葉を知っていて、それに挑戦するというのは感慨深いものがあります。

――6歳のバースデーカードに「大きくなったら将棋の名人になりたい」と記入。覚えていますか?

 全く(笑)。自分では記憶していなかったですが、将棋を始めたのが5歳の頃なので、6歳で(それを書いたのは)は大きく出たなと思います。これから名人戦の対局があるわけですが、名人戦の舞台に立つことができることを当時の自分に教えてあげたいなと思います。

――リーグ戦とトーナメント戦。相性は感じますか?

 どちらが好きということはないが、順位戦は1年を通して戦うので、年間を通じて良い状態を維持することが求められるので、それが難しさでもあり面白さでもあると感じています。

――棋王戦で衝撃的な逆転負け。引きずる部分はあったか?

 詰みがあった時に気づいた時は若干ショックはあったんですが、もともとずっと途中まで負けの将棋だったので、結果も仕方ないと当初から思っていたので、棋王戦の中盤は、難しいところで長考したんですが、そこで少しミスをしてしまって、苦しくしてしまったところがあったので、そういうところを本局に活かせればと思っていました。角換わりなんですが、かなり展開の違う将棋になって、棋王戦の方は自玉が思った以上に危険になってしまったところがあって、本局は中盤から終盤にかけて、自玉との間合いを取って指せたのかなと思います。

――王将戦、棋王戦、順位戦と立て込んだ。体力の回復、準備は。

 対局の多い時は、自分自身がいい状態で対局に臨めることが重要なので、しっかり休んで対局日に疲れが残らないようにというのを最優先に考えています。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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