プレミアリーグで、日本人の年間最多得点を記録するなど現在絶好調の日本代表・三笘薫。そんな三笘の所属するブライトンには日本代表アタッカー以外にも魅力的な選手たちが数多くいる。そのうちの一人が、24歳ながらシーガルズ(ブライトンの愛称)の10番を背負う、アルゼンチン代表のアレクシス・マクアリスター。今回は、三笘とともにチーム内得点ランキングでトップに立ち、躍動を続けるクラブの顔・マクアリスターを紹介していく。
親子2代でアルゼンチン代表に 24歳ながら華々しいキャリア
マクアリスターは父親がアルゼンチン代表の選手だったこともあり、幼少期からフットボールに慣れ親しんできた。叔父はJリーグの前身である日本サッカーリーグに属する三菱自動車工業サッカー部に在籍、アレクシスの兄たちも同様にプロサッカー選手であり、紛れもないフットボール一家に育った。
そんな、クラブの“10番”を背負う男はまだ24歳ながらすでに華々しいキャリアを築き上げている。昨年のカタールW杯では、アルゼンチン代表として6試合に先発出場し、大車輪の活躍を見せていた。特にフランスとの決勝戦では、116分まで戦ったほか、ディ・マリア(ユヴェントス)のゴールをアシストするなど母国を9大会ぶりの優勝へと導いている。
また、アルゼンチンの名門 ボカ・ジュニアーズ在籍時にはリーグ優勝を経験するなど、フットボール人生において華やかな道のりを歩いてきた。現在所属するブライトンではまだタイトル獲得はできていないものの、今シーズンはチームの好調もあって来季の欧州カップ戦出場に手が届くところまで来ている。シーガルズで迎える栄光の瞬間もそう遠くはないだろう。
攻守ともにハイクオリティ 三笘との相性も◎
マクアリスターは高い精度のパスや、足元の技術の高さを活かしたドリブルを武器とするゲームメーカーだ。またミッドフィルダーながら優れた得点感覚を持っており、直近のウェストハム戦では1ゴール1アシストの活躍を見せている。さらに高い危機察知能力も備えており、タックルやパスカットでチームのピンチを救うなど守備においても貢献度が高い。加えて怪我に強く、ブライトンに入ってからは負傷離脱も1回しかないなどチームにとっては有難い存在だ。
今季のマクアリスターは、さらに飛躍を遂げている。ゴール数はシーズン半ばにしてリーグ戦6点、カップ戦でも2点とキャリアハイ、先発出場数も過去最高を大幅に更新する勢いだ。フットボールメディアの『transfermarkt』によればブライトンで最も市場価値の高い選手と報じられており、24歳ながらすでにクラブでも代表でも絶対的な存在であると言える。
また、三笘薫と近い位置でプレーすることも多いマクアリスターだが、2人の相性も悪くないようだ。彼が三笘と一緒に出た試合の平均勝ち点は「1.89」、10試合以上一緒に出場したブライトンのチームメートの中で3位を記録しており、互いに理解し合えている様子はプレーの節々から感じ取ることができる。
シーガルズの躍進を支える若きチームの大黒柱は、今後どのような活躍を見せてくれるのだろうか。この男の一挙手一投足から目が離せない。
文・小柳津 諒 (ABEMA/プレミアリーグ)