
【WBC・1次ラウンド プールB】日本代表8-1中国(3月9日/東京ドーム)
ただのフェンス直撃ツーベースではない。エンゼルス・大谷翔平投手が「3番・投手」でスタメン出場し、4回1死一、三塁のチャンスで真ん中低めのストレートをすくい上げ、レフトフェンスの最上部を直撃する2点タイムリーツーベースを放った。初出場のWBCで、いきなり投打二刀流で活躍するが、自身の膝よりはるかに下を通過する完全なボール球を強振し、あと少しでホームランという当たり。強化試合で放った“膝つきバックスクリーン弾”に続き、またも世界中のファンに向けて異次元のバッティングを披露した。
もはやどんなボールをどんな体勢で打ったとしても、大谷の打球はどこまで飛ぶのか想像がつかない。カウント1-1から真ん中低めに来たのは完全なボール球。ただタイミングが取れたのか、長いリーチを活かして的確に真芯で捉えると、大谷らしくややスライス気味に飛んだ打球は失速することなく、レフトフェンスの最上部を直撃。もう少し角度がついていれば、WBCでは自身初となるホームランになるところだった。
甘い球ではなく難しい球を、どこまでも飛ばす。阪神との強化試合では、真ん中低めの変化球に対して、膝をつき片手で払い上げるように打ったものが、バックスクリーンに届く衝撃の3ランになった。続く打席でもバットを折りながら2打席連続ホームラン。世界の大谷のテクニック、パワーがやはりとてつもないと示されたが、本番に入ってもそれは変わらず。この様子なら、本大会でもゆったりと一塁に向かう「確信歩き」の特大弾が出るのも時間の問題だ。
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