フランクフルトの日本代表MF鎌田大地がドルトムントと5年契約で口頭合意したという報道から一転、未だ移籍は決定的ではないというニュースが飛び込んできた。これまで数々の名だたるビッグクラブが鎌田に興味を示しているという報道が出ているが、地元紙『Frankfurter Neue Press』によると本人はドイツ国外でのプレーを望んでいるそうだ。そんな日本代表選手に対して、どのようなクラブが興味を示しているのだろうか。
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クロップ監督のお気に入り!?リバプール
今季、クロップ監督がリバプールの監督となってから8シーズン目に突入した。このドイツ人指揮官はこれまでの監督キャリアでの最大年数が7シーズンであり、ドルトムントでの最終年は一時、降格圏に沈むほど低迷した。そんなクロップにとって未知なるシーズンとなった今季、リヴァプールは大方の予想通り低迷した。
その低迷の要因は数え切れないほどある。クロップやペップ・ラインダースらコーチングスタッフ陣の顔ぶれが変わらないことによるマンネリ化に加えて、クロップサッカーの申し子だった10番のマネの退団、代わりに獲得したダルウィン・ヌニェスの適応への遅れ、主力選手の高齢化、怪我人の続出、そしてオーナーが変わるかもしれないなど、ピッチ内外の様々な部分で問題を抱えている。
直近は18歳のバイチェティッチの台頭とファビーニョの復調でチームも順位を上げているが、中盤の選手層が薄いことはワイナルドゥムの退団以降、ずっと言われていた。この課題を野放しにしたことも今季の低迷の要因であり、ナビ・ケイタが高い確率で退団することを考えると、今夏には少なくとも2名の中盤の即戦力が必要になるだろう。
地元メディア『Empire of the Kop』によると、この難しい事態において、鎌田が指揮官クロップのお気に入りとなっているそうだ。ドルトムント時代に香川真司と丸岡満、リバプールで南野拓実を指導したドイツ人指揮官は日本人選手に対してポジティブな印象を抱いている。リバプールはフィルミーノの後釜、センターバックの補強など中盤以外にも多くの補強ポイントを抱えているため、その全てのポジションに多額の移籍金を使う余裕はない。そうした経緯も踏まえてフリーで獲得できる鎌田への関心が高まっているそうだ。
かつては香川真司も在籍したマンチェスター・ユナイテッド
英紙『Daily Mail』によると、かつて元日本代表MF香川真司がプレーしたイングランドの名門、マンチェスター・ユナイテッドも鎌田の獲得に興味を持っているそうだ。2012-2013シーズンよりリーグ優勝から遠ざかる”赤い悪魔”は、今季より指揮を執るエリック・テン・ハフ監督の下で復活を遂げつつある。2月末に行われたカラバオ・カップ決勝では同じく復権を目指すニューカッスルに勝利し、新体制となってから初タイトルを獲得したばかりだ。
鎌田への関心を示す要因の一つが2人のローンプレイヤーの存在だ。最前線に君臨するヴェグホルストと中盤のザビッツァーは今冬に加入してから即チームにフィットしたが、彼らは所属元との契約が来季以降もあるため、完全移籍で獲得するにはお金が必要だ。仮にユナイテッドが他の選手やポジションを優先的に補強したいと判断した場合、彼らを買い取らない可能性も出てくる。その代役として今夏にフリーで獲得可能な鎌田の名前が挙がっているのだ。
大型補強を続けるチェルシー
英紙『Daily Mail』によると、チェルシーも鎌田大地の獲得に興味を示しているようだ。2020-2021シーズンの欧州王者は今季より新オーナーが就任。心機一転、大型補強を敢行し、欧州随一のスカッドの質と量を兼ね備えているが、度重なる主力選手の怪我やポッター新監督の下で苦戦中ということもあり、苦難のシーズンを送っている。
現在のチェルシーが抱える最大の問題は、アブラモビッチ前オーナー時に獲得した選手とボーリー現オーナーの下で獲得した選手の待遇の違いだ。新加入選手の破格の年俸に対して元から所属していた選手の年俸はおよそ3分の1から2分の1程度だ。
選手も人間であるため、こうした格差には不満を覚える。不満分子がチーム内に複数名いる限り、選手たちが一致団結して頂点を目指すことは難しい。こうした状況のため、今夏にもアブラモビッチ前政権時代から在籍していた戦力の放出が大きく進むと考えられる。選手を放出した場合、当然ながら新戦力が必要であり、そうしたケースにおいては今夏にフリーとなる鎌田も獲得候補の一人に挙がるだろう。
その他、選手層に不安を抱えるトッテナムや新オーナーの下で復活を目指すニューカッスル、財政面に苦しむインテルやバルセロナなど多くのクラブが鎌田の関心を示しているそう。大人気の日本代表MFの去就は日本のみならず、世界中で注目されることになりそうだ。