ドルトムントの歴代得点ランク
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 2023年に入って抜群の強さを見せているドルトムント。リーグ戦8連勝の快進撃で首位バイエルンに勝ち点で並んだ同クラブは、現地時間11日(土)にシャルケとの“ルールダービー”を迎える。
 
 そんなドルトムントで、先週末に偉大な記録が誕生した。今月3日に行われたブンデスリーガ第23節のライプツィヒ戦(2-1○)で、主将を務める33歳のマルコ・ロイスが記念すべきゴールを決めたのだ。その試合でPKを沈めたロイスは、ドルトムントでの通算ゴール数を「159」に伸ばし、プロの公式戦におけるクラブ歴代最多ゴール記録に並んだのである。
 

[写真]=Getty Images
 

■香川真司

60ゴール(14位)/在籍2010〜2012・2014〜2019
元日本代表/現:セレッソ大阪

香川真司
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香川真司はドルトムントの歴代得点ランクで14位!


 
 今年から古巣のセレッソ大阪に復帰した香川真司は、2010年からドルトムントで計6シーズンも活躍した。加入1年目の2010-11シーズンに公式戦12ゴールでドルトムントの9年ぶりのリーグ制覇に貢献すると、翌シーズンには自身最多の17ゴールでブンデスリーガ連覇の立役者となった。
 
 その後、マンチェスター・Uでの2シーズンを挟んで2014年に再び黒と黄色のユニフォームに袖を通した日本のプレーメーカーは、それからの4シーズンでさらに31ゴールを積み重ねた。結局、ドルトムントでは公式戦216試合で「60ゴール」をマーク。伝統あるドルトムントの歴代得点ランクでは14位に入っている。
 
 ただし、今回のランキングはプロのドイツ全国リーグである「ブンデスリーガ」が発足された1963年以降の公式戦のゴール数によるもの。それ以前にもセミプロの地域リーグが行われており、その時代のゴール数も含めた場合、香川真司は「21位」となる。
 

■5位:ローター・エメリッヒ

137ゴール/在籍1960〜1969
元西ドイツ代表
 
 ここからはトップ5を紹介しよう。5位に入ったのは、1960年代にドルトムントで活躍した元西ドイツ代表FWローター・エメリッヒだ。2003年に61歳の若さで他界したクラブの英雄は、6年連続で公式戦2桁ゴールを達成するなど素晴らしい得点力を披露した。1965-66シーズンからは2季連続でリーグ得点王に輝いており、ブンデスリーガ黎明期を代表するストライカーだった。1965-66シーズンのリーグ戦31ゴールは、2016-17シーズンのピエール・エメリク・オーバメヤンと並び、ブンデスリーガにおけるドルトムントのクラブ記録となっている。
 
 結局、ブンデスリーガでは通算183試合に出場しリーグ歴代得点記録39位となる115ゴールをマーク。ドルトムントでの公式戦では通算「137ゴール」を叩き出したが、彼はブンデスリーガ発足前から活躍しており、それ際の得点数も含めると「148ゴール」だった。
 
 ちなみに、ブンデスリーガにおけるシャルケとの“ルール・ダービー”で最もゴールを決めているのがエメリッヒだ。彼は宿敵シャルケを相手に通算10ゴールを決めている。
 

■4位:ピエール・エメリク・オーバメヤン

141ゴール/在籍2013〜2018
元ガボン代表/現:チェルシー

ピエール・エメリク・オーバメヤン
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ドルトムントでも自慢のスピードを武器に得点を量産したオーバメヤン


 
 4位は元ガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤンだ。2013年からアーセナルに移籍する2018年までドルトムントに在籍した点取り屋は、公式戦213試合で通算「141ゴール」を叩き出した。
 
 オーバメヤンは、2014年にバイエルンへ移籍したポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキの後釜としてゴールを量産。2016-17シーズンにはレヴァンドフスキとの熾烈な得点王争いを1点差で制し、31ゴールで自身初のブンデスリーガ得点王に輝いた。在籍4シーズン半で、4度もチーム内得点王に輝くなど、数々のゴールを決めて2016-17シーズンにはDFBポカール優勝にも貢献した。
 

■3位:マンフレート・ブルクスミュラー

158ゴール/在籍1976〜1983
元西ドイツ代表
 
 3位にはサッカー以外のスポーツでも結果を残したゴールゲッターがランクイン。マンフレート・ブルクスミュラーである。ドイツ屈指の点取り屋は、ロートヴァイス・エッセンで結果を残したあと、1976年にドルトムントに加入。すると在籍7シーズンのうち6シーズンで20ゴール以上を奪う活躍を見せ、通算252試合に出場して「158ゴール」を叩き出した。そのうち135得点はリーグ戦で決めたものであり、これはブンデスリーガにおけるドルトムントのクラブ記録となっている。
 
 その後はニュルンベルクを経て、1980年代にはブレーメンに在籍。1987-88シーズンには38歳にしてブレーメンの23年ぶりのリーグ制覇に貢献した。そして40歳で現役を退くまで、ブンデスリーガで4クラブを渡り歩き同リーグの歴代5位となる213ゴールを決めた。
 
 引退後、欧州などで繰り広げられた「NFLヨーロッパ」というアメリカンフットボールにも挑戦。プレースキッカーとして自慢のキック精度を披露し、ドイツのライン・ファイヤーにタイトルをもたらした。
 

■1位タイ:ミヒャエル・ツォルク、マルコ・ロイス

159ゴール
ツォルク:元ドイツ代表/在籍1981〜1998
ロイス:ドイツ代表/在籍2012〜

(左)ミヒャエル・ツォルクと(右)マルコ・ロイス
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(左)クラブの“レジェンド”ツォルクと(右)現キャプテンのロイス

 1位は「159ゴール」で新旧のキャプテンが並んだ。まずは「Mr.ドルトムント」とでも呼ぶべき英雄、ミヒャエル・ツォルクだ。16歳でドルトムントの下部組織に入団したツォルクは、それから44年に渡りクラブに身を捧げてきた。
 
 1981年にデビューを果たしたセントラルMFは、1995年からリーグ2連覇を果たしたほか、1996-97シーズンにはチャンピオンズリーグ(CL)決勝でユヴェントスを撃破し欧州制覇も達成。そして1997年12月にはトヨタカップで来日すると、クルゼイロを相手に先制ゴールを決めてチームを世界一に導いた。
 
 1989年からはクラブキャプテンを任され、クラブ歴代最長となる9年間に渡り主将を務めた。35歳で現役を退くまでドルトムント一筋でプレーしたツォルクは、同クラブで歴代最多の572試合に出場して「159ゴール」をマーク。そして引退後も、クラブに留まりスポーツダイレクター(SD)としてチームを支えた。
 
「1年半で予算の半減を迫られた2004~2008年が最も難しい時期だった」とツォルク本人が振り返るように、クラブは2003年に破産寸前まで追いやられるも、そこから見事な復活劇を遂げたのである。そしてツォルクの手腕のおかげもあり、再び欧州屈指の強豪クラブに定着したのだ。そのツォルクは2022年、惜しまれながらスポーツダイレクターの職を退任し、44年間のドルトムント生活に別れを告げた。
 

(記事/Footmedia)

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