将棋藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が、3月11・12日の両日に行われた囲碁将棋チャンネル 第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第6局で挑戦者の羽生善治九段(52)に勝利し、王将位の初防衛を決めた。前人未踏の通算タイトル100期獲得に挑んだ羽生九段だったが、将棋界のスーパースター対決は若き五冠保持者の藤井王将が制した。

【映像】藤井王将が初防衛を飾った王将戦七番勝負第6局

 カド番で第6局を迎えた羽生九段は、フルセットに持ち込むべく先手番で角換わりの戦型を志向。相早繰り銀の出だしから攻勢に出た藤井王将が先にペースを握った。数々の難所をくぐり抜けてきた百戦錬磨の羽生九段も技を見せて絶妙にバランスを保ったが、藤井王将が強く踏み込みリードを拡大。要所で勝負手を繰り出したが、藤井王将に押し切られる形で投了を告げた。

 羽生九段は、「去年公式戦で同じ形を指してみて、わからない部分があったのでもう1回やってみようと思った。角銀を持ち駒にして、もうちょっと手が見えるかと思ったが、手を作るのが難しい将棋だった。桂頭のあたりを攻めていくような筋を作りたかったが、なかなか良い筋が見当たらず、少しづつ苦しくしてしまった」と一局を総括。藤井王将とのタイトル戦については、「いろいろな変化や読み筋がたくさん出てくるので、対局していて大変なところでもあったが、勉強になったところもあったシリーズだった」と振り返った。

 夢の100期は次年度にお預けに。「自分自身の至らないところや足りないところを改善して、また次に臨めたらいいなと思います」と視線を上げた。
(写真提供・日本将棋連盟)

【映像】第72期ALSOK杯王将戦七番勝負 第六局2日目 藤井聡太王将 対 羽生善治九段
【映像】第72期ALSOK杯王将戦七番勝負 第六局2日目 藤井聡太王将 対 羽生善治九段
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